14日から東京有明の東京ビッグサイトで、“第11回設計・製造ソリューション展”と“第4回機械要素技術展”が開催されている。
前者はコンピューターシステムを使った製造業向けの各種ソリューションを展示したもの。211社が出展した。CADやCAM、CAEなどのコンピューター支援の各種システムに加え、ERP(統合業務用パッケージソフト:Enterprise
Resource Planning)やPDM(生産データ管理システム:Product Data Management)、そしてこれらにネットワーク技術を統合したものなどが幅広く展示された。
機構検証や分析機能を持たせ、ネットワークでデータを管理
CADやCAM関連では、3DCADシステムをベースに機械機構の検証シミュレーションや、流体シミュレーションなどの分析機能を持たせたり、データをネットワークで管理するなどの統合化がトレンド。設計から検証、製造にいたるすべての工程でデータを共有して作業を効率化し、コストを下げる工夫が試みられている。機械機構が正しく動くかどうか、不具合がないかどうかを確認するシミュレーション機能はトレンドだ |
実際にはAutodes kの『AutoCAD2000』やIBMの『CATIA』、ソリッドワークスの『SolidWorks2000』などのプラットフォームをベースにして、サードパーティーによってさまざまなアプリケーションがアドオンされている。オートデスク(株)や日本アイ・ビー・エム(株)、ソリッドワークス・ジャパン(株)などは広いブースを確保して、サードパーティ製アプリケーションを展示して見せた。また設計だけでなく、実際に製造を行なう現場のレイアウトや作業工程も3次元CGで表示、安全や効率性を前もって確認することができる製品も登場していた。
CATIAやAutoCADは大きなブースに大勢の人を集めてデモを行なっていた |
CADデータをもとに折り曲げ工程までを自動でこなす工作機。アームの先に持った金属板をさまざまな形状に加工することができる |
ローランド.ディー.ジー(株)は高精度のハイエンドモデラーや、金属に文字や絵を彫刻できる新製品などを展示した |
実際の流れ作業の状態を3次元CGにして、状況をチェックする仕組みも提案されている |
特設ブースとして『ラピッドプロトタイピング』が取り上げられ、データを受け取ってからプロトタイプの製造に必要な処理を高速かつ低コストで行なう仕組み、光造形や高速な金型作成機なども紹介された。入力装置としては3次元レーザースキャナーや各種デジタイザーなども展示された。
3次元レーザースキャナー。左側でレーザー光線によるスキャニングを行なってデータ化している |
縞模様をつけた対象物に光をあてて、その縞の干渉状態を見てデータ化する3次元スキャナー |
米国国防省が採用した特殊なレーザー光線による3次元レーザースキャナー。距離が離れていてもデータ化することができる |
ERP/PDM関連のトレンドは、SCMを含めた連携ソリューション
ERP/PDM関連では、SCM(Supply Chain Management)を含めて互いに連携するソリューションがトレンドだ。広くネットワークだけでなく中にはiモードにつなぐ製品もある。業務上製造上のさまざまなデータをコンピューター上で管理することで、さらなるコスト削減と高効率化を図るのが狙いだ。米国メイトリックス・ワン社の『eMatrix』はその代表的な製品で、CADとERPなどを統合し、WebやJavaベースで管理することができるもの。多くの来場者が感心を寄せていた。日立はIntelの64ビットプロセッサー、Iteniumを搭載したサーバーを参考出品。Windows2000の64ビット版上で3Dアプリケーションを実演した |
実務的な商談でにぎわう“機械要素技術展”
“機械要素技術展”は、機械に欠かせない歯車やネジ、バネなどの要素技術に関する展示会だ。111社が出展した。要素技術なので展示自体は地味だが、実際に製造に必要な部品やカスタマー仕様への対応など、より実務的な商談がされる場としてにぎわっていた。これらのイベントは16日の金曜日まで開催されている。機械要素技術点では通常のドライバーが使えない特殊なネジ類を提供するメーカーも出展した |
電子ノギスなどの計測装置に無線装置を取り付け、パソコンで自動的にデータ収集を行なう装置 |