ストレージ管理ソフトを出荷しているベリタスソフトウェア(株)は6月2日、都内において、同社の事業戦略を説明した。
米ベリタスソフトウェア社のワールドワイド担当執行副社長のポール・サラベリ(Paul
A. Sallaberry)氏は、「わが社の製品はすべてSAN対応になっており、トースターのプラグを挿すように、すぐSANに対応できる」、「ベリタスの知名度をあげるために積極的に広告キャンペーンを行なっていく」と語った。
米ベリタスのインターナショナル担当副社長のフィル・バスフィールド(Phil
Bousfield)氏は、「ストレージに対する需要が急速に伸びています。データ・アベイラビリティーがキーになります。データへのアクセスが常に確保されていること、バックアップやリカバリーなどのデータの保護も含めて、データアベイラビリティーと呼んでいます。さまざまなOSで提供することも大切です」と語った。
「製品群のなかでも、クラスタリングとレプリケーションの製品が、信じられないぐらいの需要の伸びを示しています。製品はすべてSAN(Storage
Area Network)対応になっています。ストレージに対する対応がまだできていないような企業に対しては、教育やコンサルタントなどのサポートも行なっています」と、同社の製品やサポート体制について説明を行なった。
米ベリタスのインターナショナル担当副社長のフィル・バスフィールド氏 |
米ベリタスのワールドワイド担当執行副社長のポール・サラベリ氏は、他社とのアライアンスや財務について説明を行なった。
サラベリ氏は、「2週間前に発表したように、米IBM社のAIXをサポートするようになりました。IBMなしには完全に“業界標準”とは言えませんでした。これで自信を持って、“業界標準”と言えます」と、同社の製品がSolaris、HP-UX、Windows
NT/2000、Linux、そしてAIXとさまざまなOSをサポートし、さまざまなマシンにプレインストールされて出荷されていることから“業界標準”のストレージ管理ソリューションであると自信をみせた。
また同氏は、米サン・マイクロシステムズ社と米オラクル社とのアライアンスにより、標準構成品として同社の製品がインストールされたサンのサーバーについて触れ、「ユーザーはハイパフォーマンスにチューニングされた製品を一括で購入できる体制が整ったのです」と説明した。
この3社は、米カリフォルニアにあるベリタスのサポートセンターで、3社のエンジニアが共同で問題解決にあたる体制を構築しており、「これで罪の擦り付けあいのような問題も起きなくなります」と語った。
米ベリタスのワールドワイド担当執行副社長のポール・サラベリ氏 |
同社の体制については、「社内の体制については、もっとも規模の大きい企業にも対応できるスケーラビリティーを擁しています。控えめに50パーセントずつ成長するとして、4年後には53億ドル(約5700億円)の売上げ規模になります」と、ストレージ管理の市場の急速な伸びにあわせて、同社も急成長中だと語った。
上村美喜男代表取締役社長は、「日本では、同社の全世界での売上げの10パーセントを目標として活動していき、まずは知名度を上げることが大切だと認識しています」と述べた。
知名度という点については、全世界共通の問題であり、広告キャンペーンをうって、知名度の向上につとめていく方針だという。キャンペーンは、企業の幹部向けと技術者向けの2つに分けて行なうという。ベリタスも、IT関連の各企業が口を揃えて言うように、企業の幹部にベリタスの名前を覚えてもらうことがなかなか大変とのことだ。