(株)オービックビジネスコンサルタント(以下OBC)は10日、都内において、同社が発売するコンピューター用紙の模造品を製造、販売しているとして、サプライ品の製造販売会社に対して、仮処分命令申し立てを行なっている件について会見を行なった。
OBCは、大阪に本社を置く(株)総合出版に対して、“OBC対応”と明記してOBCが意匠権を持つコンピューター用紙を製造、販売しているとして、製造・販売の中止を求める仮処分命令申立書を、3月21日に東京地方裁判所に提出した。
また、それに先立ち昨年7月には刑事告訴も行なっている。このような告訴、仮処分命令申し立てを、コンピューターソフトの専用用紙の模造について行なったのは、これまで例がなく、初めてのケースだという。
OBCの取締役営業本部長兼販売推進部長である大原泉氏は、「ソフトウェアに比べると、サプライ用品の知的所有権に対する認識が甘い。サプライ品では多くの会社がこういった行為を行なっている。インターネットでは実態がつかみ難いケースも多く、今後こういった業者が多く出現するのではないだろうか。これで終わりではなく、スタートだと思っている」と、同社の意匠権を侵害しているような業者に対して、徹底した態度で臨むという同社の姿勢を明らかにした。
OBCの取締役営業本部長兼販売推進部長である大原泉氏 |
同社の顧問弁護士で、グリーンヒル法律特許事務所の西田育代司弁護士は、「ソフトに対応した用紙で、1mmでもずれれば枠におさまらない。1mmの違いもなく同じになっている。同じでないと使い物にならない」と、両社のコンピューター用紙を手に解説した。
同社の顧問弁護士で、グリーンヒル法律特許事務所の西田育代司弁護士 |
「“OBC対応”とパンフレットに明記してあり、相手は認容している。刑事告訴を先に行なったのは、刑事的なペナルティーをまず与えるため。民事では、30数種ある用紙の中から、OBCが意匠権を持つ6つにしぼって早期に結果を出し、損害賠償のペナルティーを与えたい」(同氏)と、刑事と民事の両面から行なったことについて説明した。
大原氏は被害額について、「明確にはなっていないが、年間約1億円。2年間で2億円以上の損害をこうむっていると認識している」という。
総合出版では、担当者が不在のためコメントできないとしている。
OBCのコンピューター用紙(納品書) |