コンパックコンピュータ(株)は26日、SAN*を拡張した“Open
SAN”の考えに基づくソフトウェアとハードウェア製品を発表した。ハードウェア製品には従来からの“StorageWorks(ストレージワークス)”のブランドを使用しているが、ソフトウェア製品には“SANworks(サンワークス)”という新たなブランド名が与えられた。
*SAN:Storage Area Network。ネットワークに接続されたさまざまなシステムのストレージ装置の情報に、どこからでもアクセスを可能にする技術。Open
SANはそれをさらに進めた考え方で、どんなアプリケーション、ファイルシステムでも業界標準に対応していくという取り組み。SNIA(Storage
Networking Industry Association)という業界団体で、ベンダー間の接続性テストや標準化作業が進められているという。
発表された新製品は以下の表の通り。
SANworksブランド製品 |
価格 |
出荷時期 |
ストレージリソースマネージャ |
120万円~ |
5月下旬 |
Exchange用ストレージリソースマネージャ |
120万円~ |
5月下旬 |
マネージメントアプライアンス |
150万円~ |
6月下旬 |
リソースモニタ |
190万円~ |
6月下旬 |
StorageWorksブランド製品 |
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Modular Array 8000(MA 8000) |
600万円~ |
6月下旬 |
Enterprise Modular Array 12000(EMA 12000) |
750万円~ |
6月下旬 |
『ストレージリソースマネージャ』(SRM)はストレージのリソースを管理できるソフトウェア。Windows NT/2000、Tru64 UNIX、Solaris、HP-UX、AIX、Red Hat LinuxといったマルチベンダーOSのマシンにインストールされた“Agent(エージェント)”を利用し、そのマシンに接続されているストレージをモニタリングする。管理者は、ウェブブラウザーで情報を表示させたり、リソース管理が可能だという。
SRMの画面 |
自己完結型のハードウェア装置『マネージメントアプライアンス』とソフトウェア『リソースモニタ』は、SAN環境の障害監視を行なうツールとなっている。
ディスクストレージ製品の『StorageWorks MA 8000』『同 EMA 12000』は、従来品のRA
8000、ESA 12000の技術を基盤にして、新たにモジュール構造を取り入れた製品。モジュール構造で実装密度が従来品の約2倍となり、1システムあたり最大で2.3TB(テラバイト)の容量を実現したという。
米コンパックコンピュータ社のエンタープライズストレージソフトウェア部門ディレクターであるマーク・ソレンソン(Mark
Sorenson)氏は、「ITのインフラ、サーバーを管理する人材が不足している。ハードウェアのコストは下がっているのに対して、それを管理する費用が増大している。効率、TCOの面から、集中して統合管理することが求められている」と、リソースの統合管理が必要だと説明した。
米コンパックのマーク・ソレンソン氏 |
「ストレージのビジネスモデルを、電気やガス、水道といった公共サービスのようにしていこうじゃないかと考えている。仮想のプールのようにストレージを扱い、利用者は必要とするときに、必要な分だけ提供するような形態。それを実現し、管理していくためのブランドがSANworks」と、将来のストレージのあり方を述べ、その考えに基づく製品を今後リリースしていくという。