米コンピュータ・アソシエイツ社(CA)が主催する“CA-World 2000”で現地時間の11日、米国においても、日本で11日に行なわれた日商岩井(株)との合弁会社“サイノミクス株式会社”(Cynomix)設立について記者会見を行なった。サイノミクスについては、関連記事を参照していただくとして、この記事では米国の会見での関係者の発言、質疑応答を中心にお届けする。
物流、金融、保険、与信管理の全てを提供していくのが特徴
CAの上級副社長であるトビー・ウェイス(Toby Weiss)は、「(今回の合弁会社設立は)BtoB取引の成長が背景にある。BtoBの取引市場では、取引のライフラインが必要になってくるのです」と述べた。「オークションを提供するだけでは不十分で、例えば車の場合、陸送はどうするのか、倉庫はどうするのか、運ぶルートはどうするのか、保険はどうなのかといった取引にかかわるさまざまなライフラインが必要なのです。物流、金融、保険、与信管理などのサービスを統合して、BtoBの取引市場に提供していきます」と、設立される新会社がほかのBtoBサイトと差別化できる部分を説明した。
CAの上級副社長であるトビー・ウェイス氏 |
日商岩井の安武史郎社長は衛星中継で日本から会見に参加し、「CAとの関係は、半年ほど前からになる。SCMをお願いしたときからの付き合い」と説明した。
安武氏は事業について、「トータルでライフラインを提供するというのは、スタートしたばかりでライバルはいない。パートナーは現在交渉中で、まだ名前を話せる段階ではない」とした。
日商岩井の安武史郎社長。衛星生中継で登場 |
収益モデルはトランザクションごとのチャージ
安武氏は事業の展開については、「日商岩井がやっている場が最初の取引の場となる。収益については薄くし、2パーセント、3パーセントよりはるかに薄い数字になるかと思う。扱うのは当初、紙、食品からはじめて、メタルやそのほかの物資に広げていく」と、トランザクションごとに課金していく仕組みであることと、取り扱う品目について明らかにした。CAの会長兼CEOであるチャールズ・ウォン(Charles B. Wang)氏は、「今回のBtoB取引市場は、まったく新しいことを試そうというのではない。すべて日商岩井が総合商社としてやっていることをインターネットにのせるということ」と、今回の合弁会社設立が実験的意味合いのものではないことを説明し、会見を締めくくった。
CAの会長兼CEOであるチャールズ・ウォン氏(左から2人目)。コンピュータ・アソシエイツ(株)の三ツ森隆司代表取締役社長(左から4人目)も米国入りして参加 |