富士通(株)は6日、HDDの記録密度限界を従来の3倍まで高める能力を持つ新方式の記録媒体“層間結合安定化媒体”を開発したと発表した。
同技術は、媒体構造を多膜化にすることで、媒体の熱ゆらぎによる信号劣化を抑圧するというもの。新たに開発した記録ヘッドと組み合わせることで、1平方インチ当たり56Gbitの記録密度を実証したという。これは、同密度のディスクを2枚内蔵した3.5インチHDDでは、DVDビデオ相当の画質で約30本程度の映画を録画できる量に相当する。
従来の媒体における熱ゆらぎによる限界は、1平方インチ当たり100Gbitと予測されているが、同技術は1平方インチ当たり300Gbitの実現が見込めるという。
同社では、本成果を4月9日よりカナダ・トロントで開催される磁気記録関連の学会、インターマグ国際会議にて発表をする予定。