インテル(株)は5日、都内で記者発表会を開催し、企業向けのネットワーク管理ソフトウェア2種類を発表した。ネットワーク環境で、クライアントパソコンの統合管理ソフトウェアパッケージ『Intel
LANDesk Management Suite 6.4』と、ソフトウェアの自動配布やアップグレードを行なうソフトウェア『Intel
LANDesk Targeted Multicasting Software』。価格はManagement Suite 6.4が15万円、Targeted
Multicasting Softwareが10万5000円(いずれも10クライアント)で、6日に出荷開始される。
『Intel LANDesk Management Suite 6.4』
『Intel LANDesk Management Suite 6.4』パッケージ |
LANDesk Management Suite 6.4は、異なる機種のサーバーやクライアントパソコン、異なるOSが混在するような企業内のネットワークにおいて、クライアントパソコンの資産管理、ソフトウェアライセンス監視、遠隔操作、ソフトウェアの配布といったサービスを提供する、統合管理ソフトウェアパッケージ。'99年9月に発売された前バージョンの6.3と比べて、Windows
2000、Linux、NetWare 5.1への対応、最大10000ノードへの対応、Windows 2000/NTクライアントパソコンの遠隔操作時のパフォーマンス向上が図られたとしている。
LANDesk Management Suite 6.4がクライアントパソコンとしてサポートするOSは、Windows
2000/NT/98/95/3.1、DOS、NetWare 3.x/4.x/5.x、OS/2、MacOS、Linuxと多岐に渡る。これらのOSがインストールされたクライアントパソコンに対して、資産管理情報やレポート、遠隔操作が可能。ソフトウェアの配布についてはWindowsプラットフォームのみがサポートされる。LANDesk
Management Suite 6.4自体は、Windows NT 4.0 Server上で動作するが、管理機能はネットワーク上のどこからでもウェブブラウザーを通じて操作することができる。
『Intel LANDesk Targeted Multicasting Software』
LANDesk Targeted Multicasting Softwareは、LANDesk Management Suite 6.4のアドインソフトとして動作し、Management Suiteのソフトウェア配布機能に、*マルチキャスト機能を追加するソフトウェア。*マルチキャスト:ある1つのデータを、複数のクライアントに送るための技術。
一般のソフトウェア配布機能を持つソフトウェアでは、それぞれ配布先のクライアントパソコンに、サーバー側から個別に接続して配布が行なわれる。また、インターネット上のビデオの同報配信などで使われるIPマルチキャストでは、ネットワーク上にあるルーターやスイッチなどのネットワーク機器がIPマルチキャスト対応である必要があった。
これに対して、同ソフトのLANDesk Targeted Multicasting機能では、配布対象となるサブネット内に1台のサブネット代表パソコンを設定し、その代表パソコンに対してサーバーからデータを送付する。代表パソコンは、そのデータを受け取った後に、サブネット内のほかのパソコンに対してマルチキャスト配布を行なう。そのため、途中のネットワーク機器がマルチキャストへ対応している必要はない。また、基幹ネットワークを流れるデータもサブネット代表パソコンへのデータのみなので、ネットワークトラフィックも抑えられるとしている。
インテルでのテスト結果として、100BASE-TXのLANで接続された250台のクライアントパソコンに対して、約18MBのソフトウェア配布を行なった場合、マルチキャストなしで16分26秒だったものが、LANDesk Targeted Multicastingを使った場合には7分50秒に短縮されたという。また、この短縮の割合はネットワークが遅いほど効果が高いとしている。
米インテル社、コミュニケーション製品事業本部副社長兼システム管理事業部長のエドワード・エクストローム(Edward Ekstrom)氏 |
これらのソフトウェア製品は、インテルと(株)コアが共同で展開する“DVAR(Deployment
VAR)プログラム”を通じて提供される。DVARプログラムは、LANDesk製品の導入や運用をサポートするもので、'99年8月に開始された。両社は製品紹介セミナーなど、LANDesk製品のマーケティング活動を共同で行なっているという。
コア、代表取締役社長の種村良平氏 |
コアの種村良平代表取締役社長によると、LANDesk製品について、2000年3月までに日本たばこ産業(株)などに約3万5000クライアント受注しており、2000年中に約28万クライアントの受注を見込んでいる。また、今後の展開として、教育現場に向けて文部省が計画している、全国600ヵ所のポータルサイトに対してLANDesk製品を使った管理機能を持たせるという。現在システムの検証を粉っているとしている。
発表会では、ノートパソコンをクライアントとしてソフトウェア配布のデモンストレーションが行なわれた |