リアルネットワークス(株)とアダプテックジャパン(株)は29日、両社のソフト販売拡大に向け共同プロモーションを行なうと発表し、都内で発表会を開いた。リアルネットワークスのジュークボックスソフト『RealJukebox』に、アダプテックのCDライティングソフト『Easy
CD Creator』のプラグインソフトを組み込むことで、RealJukeboxで作成した音楽ファイルをCD-Rドライブに書き込んでオリジナルCDが作成できるようになる。
RealJukeboxは音楽CDからMP3などの音楽ファイルを作成したり、インターネット上の音楽ファイルをダウンロードして管理し、好きな曲順で再生することもできるジュークボックスソフト。3月1日に日本語版が発表され、無償版の『RealJukebox
Basic』と、29.99ドル(約3150円)で購入できる『同 Plus』のダウンロードサービスが行なわれている。
Easy CD CreatorはCDライティングソフト。CD-R/RWドライブを利用し、専用メディアにデータを書き込むことができる。昨年秋に発売された最新バージョン『Easy
CD Creator 4 Deluxe』では、MP3ファイルから直接CD-Rに書き込んで音楽CDを作成できる機能が追加されており、書き込む前にMP3ファイルをWAVE形式に変換する必要が無くなった。
両ソフトを組み合わせた音楽CD作成機能はすでに利用が可能となっている。まずRealJukeboxとEasy
CD Creatorのプラグインをダウンロードしてインストールする。Easy CD
Creatorがインストールされていない場合は、無償の書き込みエンジンをダウンロードしてインストールする必要がある。RealJukeboxの画面に“CD-R”アイコンが表示される。アイコンを押して作成画面に移り、CDに収録したい音楽ファイルを選んで書き込めば、オリジナル音楽CDが出来上がる。
RealJukeboxによるCD作成画面 |
CD-Rドライブさえあれば、無料で音楽ファイル作成と音楽CD作成が可能になるが、制約はある。音楽CDなどからMP3ファイルを作成する場合、RealJukebox
Plusでは最高320kbpsでエンコードすることが可能だが、無償版のBasisでは96kbps(CD並みの音質が128kbps)。また無償公開のEasy
CD Creator書き込みエンジンは、書き込み速度は2倍速までとなっている(現在のドライブ性能は6倍速以上が主流)。
両社では、まずは無償版で音楽CD制作を体験してもらい、さらに高レベルな機能を求めるユーザーに有償版を購入してもらうことで販売の拡大を図っていく。そのため4月から、RealJukebox
Plusを購入したユーザー向けにEasy CD Creator 4 Deluxeの割引販売を行なうほか、音楽ファイルのダウンロードやCD-Rについて解説したサイトを開設するなど、共同でプロモーションを実施していく方針だ。
リアルネットワークス社長の比嘉ジェームズ氏は、「音楽とパソコンは昨年から密接になってきた。さらにプラグインを使えば、どこにでもあるプレーヤーで再生できるCDを、直接制作できるようになる」とユーザーにとってのメリットを強調した。
アダプテックジャパン社長のジョー・プレソ(Joe Preso)氏は、「アダプテックはSCSIホストアダプターの企業だと思われ、なかなかソフトウェアの企業だと見てもらえないが、SCSIアダプターを支えるのはファームウェアを含むソフトであり、アダプテックはこのソフト事業にも力を入れている」と同社の姿勢を説明。その上で「今回の提携は、リーディングカンパニー同士による強力なものだ」と共同事業に強い期待を寄せた。
リアルネットワークス社長の比嘉ジェームズ氏(左)とアダプテックジャパン社長のジョー・プレソ氏 |