3月22日、東京品川の新高輪プリンスホテルにおいて“ALPS SHOW 2000”が開催された。これはアルプス電気(株)が主催する同社のプライベートショウで、同社が扱う製品群の展示を中心に研究開発技術や環境への取り組みなども紹介、同時に商談の場を設けたもの。通常のショウとは違い、ダイレクトにビジネスにつながる“ショウケース”的な意味合いが強いイベントだ。一般公開ではなく招待者のみが入場可能になっているのもそのため。24日まで開催されている。
同社はコンシューマー向け製品では独自技術によるマイクロドライプリンターで知られる程度だが、実はキーボードやマウス、コネクター、各種スイッチ類、液晶パネル、ストレージデバイス、通信、センサー、カー電装品など他分野にわたるデバイス・コンポーネントメーカーとして、パソコンを始めとするエレクトロニクス製品を陰で支えている存在。このイベントでもデバイスやスイッチ類を中心とした“コンポーネント”、電装品中心の“カーエレクトロニクス”、通信や放送、インプットデバイスの“マルチメディア&コミュニケーション”、そして対環境技術を並べた“エンバイロメント&テクノロジー”などのカテゴリー別にブースを設置。技術解説員と営業担当員が多数動員され、積極的に自社製品と技術をアピールしていた。
目新しいところをピックアップしてみると、PC関連ではフォースフィードバック機能を持つマウスやメモリースティックスロットを内蔵したキーボード、新コンセプトのポインティングデバイスなどの入力デバイスのほか、モバイル向け無線技術Bluetooth用デバイス、HiFD用ドライブ、マイクロドライプリンターのA3仕様などが展示されていた。またデバイス関連では、地上波や衛星、ケーブルテレビ用のデジタルチューナーユニット、高感度の磁気センサーなどが、ストレージ関連ではHDD用のGMRヘッド、任天堂の64DDシステム用のドライブユニット、D-VHS用ヘッド、MDやテープ用メカデッキなどが並べられた。そしてカーエレクトロニクス関係では、フォースフィードバック機構付きのジョイスティックや配置自由のボタンカバー、複数のスイッチやボタンを集積したハンドルのほか、関連会社の電装品メーカー・アルパイン社の製品も展示された。
先日発表されたパッドとスティックの両方を持つデュアルポインティングデバイス |
メモリースティックスロットを装備したUSBキーボード。参考出品 |
新コンセプトのポインティングデバイス。指の腹全体で操作するため、こんなデザインも可能になる |
パッド型デバイスをラジコンのコントローラーやペットロボットのセンサーとして使う応用例 |
プレイステーション2のコントローラーも同社が開発したもの。アナログスティックだけでなく、すべてのボタンが256階調のアナログ入力に対応している |
A3仕様のマイクロドライプリンターの試作品。参考出品されたもの |
参考出品されたHiFD用ドライブ。USB仕様のものも並べられた |
容量64MBの任天堂のゲーム機用のディスクシステムも同社が開発したものだ |
衛星や地上波、ケーブルテレビ用の高周波復調ユニットはすべて同じサイズで統一。セットトップボックスメーカーは同じ設計でこのユニットだけを入れ替えるだけで複数製品に対応できる |
ハンドルにはボタン類が集中、さまざまな情報はモニターに表示され、その操作をフォースフィードバック付きのスティックで行なう |
POS端末やハンディーターミナル用の感熱プリンターに使われる各種ユニット。昇華型や熱溶融型の写真画質プリンターでも各種ユニットが並べられた |
参考出品されたBluetoothのユニット。ノートパソコン間で通信するデモも行なわれた |
これら実際の製品のほか、未来の技術アイデアを紹介したコーナーもあった。面白かったのは、ビデオデッキに録画された内容によってリモコンにフォースフィードバックするもの。たとえばサッカーの試合で、得点や反則などのポイントとなるシーンになると、早送りや巻き戻し中のジョグダイヤルのトルクが変わる仕組みだ。
将来の技術を提案するアイデアボードにはPCや携帯電話、家庭機器などの分野で多くの提案がされていた |
さまざまな技術的アイデアを紹介したコーナーでは携帯電話の表示画面をハードコピーするものや、ビデオに録画された内容によってリモコンにフォースフィードバックする |