米コンピュータ・アソシエイツ社は4月9日~14日の間、米国・ニューオリンズで、ユーザー向けのカンファレンス“CA-World
2000”を開催する。同カンファレンスでは3000以上のテクニカルセッションのほかに、米国上院議員で宇宙飛行士のジョン・グレン(John
Glenn)氏の基調講演などが予定されている。
ascii24編集部では、コンピュータ・アソシエイツ(株)の代表取締役社長である三ツ森隆司氏に、3月21日に東京・新宿の同社のオフィスで、エンタープライズ・マネジメント市場のことや同社の戦略について話をうかがった。
コンピュータ・アソシエイツ(以下CA)は、米CAIの100パーセント子会社で、米CAが販売しているソフトウェアの日本語化や、各種ソフトウェアおよびサービスの販売、技術サポートなどを行なっている。同社の代表的なソフトウェアには、統合運用管理ツールの『Unicenter
TNG』、オブジェクトデータベース『Jasmine』などがある。
コンピュータ・アソシエイツの三ツ森社長 |
eビジネスのインフラストラクチャーを提供する会社
--まず、コンピュータ・アソシエイツについて教えてください三ツ森「(CAは)エンド・トゥ・エンドまで、eビジネスのインフラストラクチャーを提供する会社です。主に、eビジネスのシステム構築や運用、管理の技術や製品、サービスを提供しています」
--扱っている製品やサービスにはどのようなものがありますか?
「500プロダクトぐらいあるんですよ。メインフレームだと、運用管理系製品が各種あります。データベースでは、富士通(株)と共同開発した『Jasmine(ジャスミン)』というオブジェクトデータベースがあります。その延長線上で、インフラとオブジェクトを関連付けていく『Jasmine ii(ジャスミン・アイアイ)』という製品をCA-World 2000で発表する予定になっています」
--500プロダクトもあると、ユーザー自らが選択することが困難だと思うのですが?
「(CAは)外に対してメッセージを伝えるのが苦手な会社だと思うんですよ。CAが何をやってるのかわからないというイメージがあります。経営者層に訴えていかないと、エンタープライズマネジメントは浸透しないと思います。(浸透しないと)Unicenter TNGという名前は出てこないですね。現在、メッセージをもっと外に出しましょうということをしています」
--日本法人が設立されてからの3年間で名前は広まりましたか?(米CAIは1976年に設立)
「3年ですからねえ。私が着任した、この3年目についてはある程度、名前と信頼を浸透できたのではないかと思います。」
--信頼というのはSIベンダーとのパートナー関係ですか?
「売り方で言いますと、メインフレームプロダクトは全て直販です。箱に詰めてパッケージで販売する分は、すべてチャネルさん。その真ん中のグレーな部分。Unicenter TNGなどは、SIベンダーに付加価値を付けて売っていただいています」
「パートナーさんについては、本当に付き合ってくださるパートナーを数社選んでいっしょにやりましょうというスキームを作っています。技術色の強いサポートをちゃんとできるSIベンダーでないと、サポートできないですね」
今後は日本でも企業の買収や吸収などを行なっていきたい
--強い業種や分野というのはあるのでしょうか?「業種というのはないですが、力を入れている分野は、データセンターや電話会社、アウトソーシング事業を行なっている会社ですね。トラフィックがたくさん来る。オープン系システムをやらなければいけない。そしてミッションクリティカル。そういうビジネスを行なっていこうという人たちですね。eビジネスを立ち上げる人たちではなく、その下のインフラを支えている人たちですね」
--競合する製品や競合する企業は?
「CAは提供している製品の幅が広いですから、競合は分野によって異なります。TNGだけをみたら、米チボリシステムズ社などが競合と言えます。ホストから全て、トータルに製品を提供している、サポートできるという意味では競合はいないですね」
--分野ごとではいるけれども、トータルとなると敵はいないということですか?
「まあ、そう胸を張って言い切れるかどうかわかりませんが。まあ、言い切りましょう(笑)」
--米CAが米スターリング・ソフトウェア社を2月に買収しましたが、日本法人の関係はどうなるのでしょうか?
「まだ、世界でどうしていくかということは決まっていませんが、今までの流れからすると、きちんと統合していくでしょう」
--日本法人で独自に企業の買収を行なわないのでしょうか?
「それは今後、行なっていきたいと思います。でも、そういうことをやる暇もなく、本社側で次々と買収してくれてるものですから。考える暇もないという状態ですね」
インフラ系のマーケットリーダーを目指す
--エンタープライズマネジメント市場が未成熟だということをおっしゃっていましたが?「日本では、人手に頼ってやってこれちゃったんですね。それが段々とパンクし始めているから、そうも言っていられなくなってきた。データセンターを沢山の人手で運営していくということはできないですから、ツールを入れていくようになるわけです」
「日本ではシステム子会社というと逆に人の受け皿だったりします。人がそこを管理して耐えてきた。グローバルなレベルで管理するには、段々とそうも言っていられなくなりましたから、大企業になればなるほど、エンタープライズマネジメントに投資しようとしています」
--2000年の戦略は?
「eビジネスのインフラ系のマーケットリーダーになりたいですね。CAじゃないとできないよというメッセージをもっと出していきたいですね」
--CA-Worldは、どのようなイベントですか?
「CA単独のイベントで、規模は大きいですね。そこにくれば、CAのテクノロジーや目指す方向性がわかるようになっています。ここ5年ぐらいニューオリンズで開催していますが、去年で2万5000人の来場者がありました。町全体がCA一色になってしまう、そんなイベントです」
--日本では開催しないのですか?
「将来的にはやりたいですけどね。今年の秋にはアジアでも開催する予定です」
--ありがとうございました