【MACWORLD Expo/Tokyo 2000 Vol.5】スキャナー/プリンター複合のコピー機やスタンドアローンスキャナーなど、入出力機器が多数出展
2000年02月17日 00時00分更新
16日、MacWorld Expo Tokyo 2000が開幕した。本稿ではデザイン&パブリッシングの視点から、本展示会をリポートする。コンシューマー向けの製品を中心に、スキャナーやプリンターなどの入出力機器の出展が目立っていた。グラフィックス市場で人気の高いMacintosh関連ならではである。各社、コンシューマー、プロフェッショナルとそれぞれに照準を合わせた目玉製品を展示していた。
エプソンはカラリオのコピー機『CC-700』を出品
まず、エプソン販売(株)は、今回が初お目見えとなるスキャナーとプリンターの複合機、つまりコンシューマー向けのコピー機『カラリオ・コピー/CC-700』を出品していた。エプソン販売(株)は、ユニークな2階建てブースで展開(左)。2階には人気のコンシューマー向けプリンター『カラリオ』の全ラインナップを展示していた |
『CC-700』は、600dpi/12bitと高精細での読み込みが可能な高速スキャナー部と、1440dpiでMDST(大中小3種類のドットを混在させてプリントする“Multi-size
Dot Technology”)を搭載したプリント部が一体化している。さらに、この2つの機能をパソコンを介さずにスタンドアローンで処理するカラーコピー機の部分からなる。筐体(きょうたい)は、517mm×413mmとコンパクトで、設置スペースに困らない。
カラリオコピー『CC-700』。スキャナー部分には、透過原稿ユニットやオートドキュメントフィーダーをオプションで用意 |
もちろん、パソコンとはUSBで接続でき、専用のランチャーソフト『EPSON
SMARTPANEL』を使って操作できる。これは、コピー操作をはじめ、PC
FAX送信や、取り込んだ画像を電子メールへ自動添付する機能、翻訳機能を備えたOCRソフト『読んde!!ココ
for EPSON』、いわゆる焼き増しができるD.P.E機能などを備える。標準価格は7万9800円。3月下旬に発売を開始する予定だ。
デザイナーに朗報。低価格の大判プリンターが登場
デザインのプロフェッショナル向けの製品としては、大判のカラープリンター『MAXART』にA1プラス判が加わった。デザイナーにとって、ポスター出力やプレゼンテーション用の出力に大判のプリンターが不可欠だが、かなりの導入費用が必要。低価格で小型化が求められていた。『PM-7000C』は、B0プラス判のPM-9000と同様に1440dpiで出力するものだが、出力幅に対応して筐体もコンパクトになり、設置スペースに余裕のないデザイン事務所の要望に応えている。
PM-7000。A1ノビならばカンプ制作にも威力を発揮する。画質はエプソンが自慢するところの“超写真高画質” |
導入価格もPM-9000に比べ低く、全般的に導入しやすくなった。PM-9000の本体価格89万8000円と比較し、39万8000円と、サイズの差を考慮してもなお低めの設定になっている。また、出力にはPostScript
RIPが必要だが、これまでの高性能PostScriptサーバーに加え、コンシューマー向けのソリューション、PostScript3搭載の『CPSソフトリッパーPro』が用意された。これにより、20万円とこれまでの半分以下の導入費用を実現。ただし、『CPSソフトリッパーPro』はMacintosh専用となっている。
元気で明るい富士ゼロックスのブース、沖のマイクロラインはトークショーを開催
富士ゼロックスはセサミストリートのキャラクターのイメージを用いた、明るい派手な演出でブース展開を図っていた。明るいイメージの富士ゼロックスブース |
展示の中心はコンシューマー機の『Jet Wind』。これまでのJet Wind600Cに加え、iMacカラーを意識した色使いの『Jet
Wind 500C』が登場した。1200×1200dpi、USBインターフェース対応と、基本的な仕様は、Jet
Wind 600と変わらず、出力速度が多少遅い程度だ。Jet Wind 600Cの出力速度はモノクロ10枚/分、カラー5枚/分で、Jet
Wind 500Cの場合はモノクロ8枚/分、カラー4.5枚/分となっている。価格はJet
Wind 600Cが4万9800円、新製品の『Jet Wind 500C』は3万9800円。
『Jet Wind 500C』。控えめだが、主張のあるボディデザインだ |
また、PostScript 3を搭載したカラーレーザープリンター『Color Laser
Wind 3320PS』も出品されていた。同製品には解像度600dpiで4800×600dpi相当を実現している。また、イーエフアイ社のFieryコントラーラーを搭載しており、色補正機能“Visual
Cal”やブラウザーからのジョブを設定できる“Fiery WebTools”などを搭載している。
A3ノビながらコンパクトにまとまったボディーの『Color Laser Wind3320PS』 |
デザインプロフェッショナルに根強い人気を持つマイクロラインを擁する沖データは、近年デザインのトップクリエイターをCFキャラクターに起用している。本展示会のブースでもそうしたクリエイターを招いて、トークショーを行なっていた。
トークショーやライブパフォーマンスを中心とした沖データブース |
スタンドアロンのスキャナーってなんだ?
ハイエンド向けの機器を販売する会社としてアーティックス(株)を分離設立を発表した日本マイクロテックでは、ユニークな製品展開を行なっていた。まず、目玉は、スタンドアロンで使用することができるカラースキャナー『ImageDECK(イメージデック)』だ。ImageDECKは600×600dpiの光学解像度を持つスキャナー。パソコンと接続せずにフロッピーとZipディスクを用いてパソコンにデータを渡す方式をとっている。
『ImageDECK』。どうせなら、PCカードドライブもつければ、もっと良かったかも? |
どこのメーカーもUSBへ移行している中で、記憶メディアを使ってデータを渡すのは、一見、時代逆行のように見える。しかし、インターフェースを接続したがうまく操作できない、というスキャニング初心者にとっては、むしろ親切な方法と言えるかもしれない。ただし、iMacやiBookはもちろん、最近のWindows機でもあまり採用されていないZipドライブや過去のメディアとなった感のあるフロッピードライブというのは、使用するユーザーを限定しそうだ。
また同社では、参考出品としてUSB接続の1200dpi、A4対応のカラースキャナー『ScanMaker
4700』を出品していた。
コンパクトな『ScanMaker 4700』 |