アダプテックジャパン(株)は10日、Ultra160 SCSI規格に対応したホストアダプター4製品を発表した。同規格は転送速度が最大で毎秒160MBとなっており、これはUltra2
SCSIの2倍の速度。同社では、「Ultra2 SCSIと同じLVD転送方式を採用し、互換性も確保している」として、今後はUltra160
SCSIへの置き換えを促していく考えだ。
『SCSI Card 39160』 |
発表された4製品は、ハイエンドサーバー向けの『SCSI Card 39160』、ミッドレンジサーバー向けの『SCSI
Card 29160』、ワークステーションとエントリーサーバー向けの『SCSI
Card 29160N』、デスクトップマシン向けの『SCSI Card 19160』。19160以外はWindowsとUNIX、NetWare、Linuxに対応しているが、19160はWindowsのみの対応となる。
39160は、インターフェースに64bitのPCIバススロット(最大転送速度が毎秒266MB)を採用し、デュアルチャネルに対応するハイエンド製品。外部接続用にミニチュア68ピンコネクター×2、内部用に68ピン×2、50ピン×1の合計5つのコネクターを装備。最大で30の機器を接続できる。Rev.
2.1対応の32bit PCIバススロットでも使用可能。価格はオープンで、実売予想価格は4万円台半ば。すでに出荷を開始している。
29160は、64bit PCIバス対応のシングルチャネルモデル。外部に68ピンコネクタ×1、内部に68ピン×2、50ピン×1を備え、接続可能な機器の数は最大15。価格はオープンで、実売予想価格は3万円台後半。すでに出荷済みとしている。
29160Nと19160は、32bitのPCIバススロットに対応するため、転送速度は同スロットの最大である毎秒133MBが上限となる。両製品とも外部が50ピン×1、内部が68ピン×1、50ピン×1で、最大で15の機器を接続できる。価格はオープンで、実売予想価格は29160Nが3万円台後半、19160が3万円前後としている。出荷は3月から。
Ultra160 SCSIは、転送方式にUltra2 SCSIと同じLVD(Low Voltage Differential)方式を採用。その上で“デュアルエッジクロッキング”*により高速な転送速度を実現。チェック能力の高いエラーチェック機能である“CRC(Cyclic
Redundancy Check)”を採用したことで、転送速度が高速ながらデータの信頼性を高めているという。Ultra2
SCSIとの下位互換性が保たれており、ケーブルとターミネーターは共用できる。
デュアルエッジクロッキング:クロック信号の立ち上がり部分と下り部分を利用し、2倍のクロック周波数を得るという方式。クロック信号自体が2倍になるわけではないので、高速化しても信頼性は保たれるという
同社では、「FibreChannelよりも高速な転送速度で、信頼性も高い。Ultra2
SCSIのアダプターは生産を順次中止し、Ultra160 SCSIへのリプレースを進めるよう、市場にPRしていく。また転送速度を十分に生かせる64bitのPCIバスの普及にも力を入れていく」としている。
会場には、HDDメーカーやPCメーカーの対応製品も展示された |