3日から、世界最大級の玩具メッセ“International Toy Fair”がドイツ南部の都市、ニュルンベルグ市内のメッセセンターで行なわれる。開催期間は8日までの6日間。
今年で51回目を迎える同見本市は、フランクフルトブックメッセなどについで世界で3番目の規模になる。会場面積は、14万5000平方メートル。52カ国から、2792ブースの出展があった。そのうち、1540がドイツ国外からの出展となる。来場者、約5万人が見込こまれている。
見本市の運営法人“Spielwarenmesse”の取締役会長、Gerd Bise氏(写真=Spielwarenmesse eG) |
今年の特徴は、ビデオゲームなどのマルチメディア専門ホールが設置されたことである。ゲーム機器メーカー以外の企業もコンピューターと組み合わせた玩具を開発するなど、最近おもちゃのマルチメディア化が進んでいる。こういったトレンドに応えるものだといえる。
ドイツでビデオゲームの売り上げが増加傾向
国際的な玩具市場で、ビデオゲームのシェアが高まっている。同メッセ事務局の発表によると、既存の伝統的なおもちゃの売上が'97年から'98年にかけて下がっているのに対し、ビデオゲームの売り上げは伸びているという。伝統的玩具の世界全体の売り上げ(単位米ドル)は、
'97年:540億9000万、
'98年:535億4000万
と、下降している。
これに対し、ビデオゲームの世界全体の売り上げ(単位米ドル)は、
'97年:119億1000万
'98年:142億2000万
と、上昇している。
ドイツ国内を見ても'96年から'98年の2年間で、ビデオゲームに対する出費が84パーセント増加した。急激に伸びている様子がわかる。ただし、その中身をみると、ハードが売り上げ増なのに対して、ソフトの売り上げが減っているという。“空洞化ともいえる状況だ。その理由は、「面白いものが少ない」(事務局)からだ、としている。米国などに比べて、キャラクター商品を展開していくといった“コンテンツビジネス”が弱いといわれるドイツ。その点が、空洞化構造の背景になっていると考えられる。
1月27日に開かれたプレスコンファレンスでは『ピカチュウ』も登場した |
少子化などを理由に近年、ドイツの玩具マーケットそのものが縮小傾向にある。しかし、'99年にはクリスマス商戦を中心に後半、玩具業界全体の売り上げは伸びた。こうした実績を受けて、業界のマインドも積極的だ。ソフト不足を補える可能性はある。