ソニー(株)は、米国において15日(現地時間)、ネットワーク時代に向けた戦略の一環として、米パームコンピューティング社との次世代パームコンピューティングプラットフォームの共同開発での合意、主要IT企業各社の“OpenMG”サポート表明、米マイクロソフト社との電子音楽配信技術での提携、米IBM社との著作権配信技術での提携について発表した。
パームコンピューティングと次世代パームコンピューティングプラットフォームを共同開発
ソニーとパームコンピューティングは、“メモリースティック”に対応し、AV機能を備えた次世代パームコンピューティングプラットフォームを共同開発することで基本合意したと発表した。この合意に基づき、パームコンピューティングは、メモリースティックへ対応できるよう拡充し、他社にライセンス供給を行なう。ソニーは、パームコンピューティングからPalm OSのライセンス供給を受け、パームコンピューティングプラットフォームの共同開発を行なうほか、同プラットフォームを採用したワイヤレス通信可能なメモリースティック対応AV/IT機器の開発についても検討していくという。
IT企業各社と電子音楽配信技術の相互接続で合意
ソニーは、米インタートラスト・テクノロジーズ社、米リキッドオーディオ社、米プレビューシステムズ社、米リアルネットワークス社、米レシプロカル社の各IT企業の持つ電子音楽配信技術と、ソニーの音楽著作権保護技術“OpneMG”との間で相互接続を実現することで合意した。OpneMGは、ソニーが開発した音楽著作権管理技術“DRM(Digital Rights Management)”を内蔵した音楽著作権保護技術。今回の合意により、各社の電子音楽配信技術を利用してインターネットで配信される音楽コンテンツを、OpenMGをインストールしたPCや『メモリースティックウォークマン』などで利用できるようになる。
IBMとの電子音楽配信技術での協力を強化
ソニーと米IBM社は、IBMの電子音楽配信技術“EMMS(Electronic Music Management System)”と“OpenMG”の相互接続について協力関係をさらに進めることで合意したと発表した。両社は'99年4月15日に、音楽著作権保護技術について協力することを発表している。この協力に基づく製品の第1弾が、『メモリースティックウォークマン』などのポータブルオーディオ機器で、EMMSを利用して加工/販売/ダウンロードされた音楽コンテンツを再生できるようになっている。
両社はこの成果を発表した後、IBMがソニーの開発した音楽圧縮技術“ATRAC3”をサポートする予定であることも明らかにした。これにより、EMMSを採用した音楽コンテンツは、音楽圧縮方式にATRAC3を利用できるようになる。この取り組みは、NTT移動通信網(株)のPHSを利用した電子音楽配信サービス実験にも用いられる。この実験は、PHSの64kbpsデータ通信を利用して音楽コンテンツを配信し、ユーザーはメモリースティックウォークマンなどのポータブルオーディオ機器で音楽コンテンツの記録/再生が行なえるという。2000年上期に開始される予定。