マイクロソフト、“Microsoft Exchange Conference 99”でメッセージングサーバーの最新バージョン『Exchange 2000』を紹介
1999年11月12日 00時00分更新
マイクロソフト(株)は、同社のメッセージングサーバー『Microsoft
Exchange Server』に関する最新技術を紹介するカンファレンス“Microsoft
Exchange Conference 99”を幕張で開催した。
クロージングキーノートでは、米マイクロソフト社サーバーアプリケーション部門バイスプレジデントのPaul
Gross(ポール・グロス)氏が、“Removing Barriers for Knowledge Workers”と題し、Exchangeの次期バージョン『Exchange
2000』(コードネーム:Platinum)とナレッジマネジメントについて紹介した。
Paul Gross氏「ウェブにより企業のビジネス形態が変わってきた。今後、ナレッジとウェブが競争上の武器として使われるようになる。情報いかに利用できるかどうかで勝負が決まるだろう」 |
「企業にとってナレッジワーカー(ビジネスにおいて、専門的な判断ができ、情報を収集/配信/分析して意思決定を行なう人たち)は大変重要。それらの基盤となるのがコミュニケーションだ。ナレッジワーカーの能力を効率的に引き出すためには、ビジネスの文化やプロセスが変化しなければならない。また、そのためのナレッジマネジメントソリューションが必要だ」
同氏は、ナレッジマネジメントを実現する技術として、“デジタルダッシュボード”、“Webストア”、“モバイル&ワイヤレス”そして一般的な“インテリジェントインタフェース”の4つを挙げた。
デジタルダッシュボードは、企業内ユーザーが必要とするさまざまな情報を、社内外のさまざまなバックエンドソースから取得、ユーザーごとにサマライズし、Microsoft
Outlook 2000上に統合して表示するもの。
Webストアは、Exchange 2000に搭載される統合型情報管理機能。さまざまな情報を格納し、高機能なウェブアプリケーションを構築するためのもの。メッセージング&コラボレーションサーバー、ファイルサーバー、イントラネットウェブサーバーに格納された情報を統合できる機能を備えている。
モバイル&ワイヤレスに関して同氏は、先日発表されたNTTドコモと同社の提携によるモビマジックのサービスを紹介した。「モビマジックのサービスは、ワイヤレス機能をナレッジワーカーに提供するものだ。NTTドコモのワイヤレスネットワークを利用して、モバイルで社内のExchangeデータにアクセスできる」
「ナレッジインフラストラクチャには、統合メッセージング&コラボレーションシステム、ウェブサービス、ストレージ、スケーラブルなディレクトリ、信頼性の高いOSといったものが必要。これらはOffice
2000、Exchange 2000、Windows 2000を統合的に利用することで実現できる」
続いて同氏はExchange 2000について説明した。「Exchange 2000では、メッセージング&コラボレーションプラットフォームとしての機能強化を行なったほか、アーキテクチャーも見直した。Windows
2000との統合により、負荷分散可能なアーキテクチャとクラスター環境を実現する。Webストアや、管理用コンソールを設定し、タスクを管理できる“タスクパッド”を搭載している」
「また、誰がコンピューターにアクセスしているかを確認でき、アクセスしている相手とメッセージの送受信が行なえる“インスタントメッセージング”、ユーザー間でアプリケーションの共有が可能な“データカンファレンス”、サーバーベースのネットミーティング“ボイス・ビデオカンファレンス”を提供する。インスタントメッセージングは、企業間でのやり取りが可能だ」
「ナレッジを共有することで、企業の生産性を高め、ビジネスをより優れたものにすることが可能だ。ナレッジにとって、Exchange 2000は不可欠なインフラである。Exchange 2000は、皆さんの組織の中で力を発揮するだろう」
セッション終了後、来場者にはMicrosoft Exchange 2000のβ3版が配布された。Exchange
2000の製品版リリースは、米国で2000年前半になる予定。日本語版については、米国版になるべく近い日付でリリースしたいとしている。