東京・お台場で開催中のCOM JAPAN 1999において、(株)イクス・エシックは、米ZOCOM社、米Wearable
Technology社、米SENTEL社の3社と協同で、ウェアラブル・コンピューターの技術研究を行なう“Wearable
Catalyst Consortium(WCC)”を設立したと発表した。
(画面左から)米SENTEL社Vice Presidentのシャーロット・ボネット(Charlotte Bonnette)氏、米ZOCOM社社長兼CEOのケビン・ジャクソン(Kevin Jackson)氏、三興アメリカ社ゼネラルマネージャーの岡田弘典氏、イクス・エシックの代表取締役井本眞義氏、同社事業開発部長大貫友宏氏 |
イクス・エシックは、産業設備のオートメーション・エンジニアリング事業を展開する三興グループに属する、制御系ソフトウェアのベンチャー企業。*“Telepresence”と呼ぶ基本概念の元に、ウェアラブル・コンピューターを利用したウェアラブル技術を利用し、ビルやプラントでのリアルタイムの遠隔指導といったシステムの開発を行なっているという。
*Telepresence(テレプレゼンス):距離や場所の影響を直接受けることなく、コミュニケーションを取りたい相手が一緒にいるような状態を指し、安全性や品質を重視する制御管理などの分野では、非常に重要な要素という。
今回のWCCでは、米IBM社からウェアラブル・コンピューターのハードウェアの提供を受け、イクス・エシックは、11月から2000年の2月まで、国内の大手異業種(具体的な企業名などは明かされていない)数社とともにパイロットリサーチプログラムを実施する。
米IBMが提供するウェアラブルコンピューター。Windows 98が動作する |
米IBMが提供するウェアラブル・コンピューターは、昨年日本アイ・ビー・エム(株)が山と研究所の研究成果として発表したシステムに類似しているが、より進んだ別の製品(試作品)であるという。米IBMは、WCCには正式参加していないが、試作品を提供するのと引き替えに、WCCからのハードウェアに関するフィードバックを受ける。実際に製品化するかどうかは未定だが、仮に製品化した場合には、WCCに参加する意向という。
イクス・エシックがウェアラブルシステム用に開発しているミドルウェアの画面 |
イクス・エシックでは、今後2000年度内にWCC参加企業を20社まで増やしていきたいとする。ウェアラブル・コンピューターの実際の応用としては、ビデオカメラや音声のワイヤレス通信機能、電子マニュアルの検索や参照といったナレッジデータベースとの連携機能を組み合わせたサービス/製品を提供していくという。