松下電器産業(株)は29日、'99年度9月中間期決算を発表した。連結営業利益は652億円で、前年同期と比べ38パーセント減った。DVDプレーヤーやカーナビなどデジタル機器が大幅に売上を伸ばしたものの、国内外で家電製品が低調だったことに加え、円高が響いた。連結純利益は、前年同期の株式評価損がなくなったことから358パーセント増の341億円。通期の見通しは、景気の本格的な回復が遅れている上、円高傾向に改善が見られないことから、連結営業利益は1640億円、前年比85パーセントにとどまる見込み。
中間期決算を発表する同社常務取締役の石原進氏 |
'99年度9月中間期における連結売上高(連結対象327社)は、3兆5927億円で、前年同期比8パーセントの減。単独では売上高2兆2007億円(前年同期比5パーセント減)、営業利益は306億円(同9パーセント減)となっている。
パソコンなど産業分野や、部品分野で回復の兆しが見られたが、ロシアや中南米など海外での売上が低迷、急速に進んだ円高が追い打ちをかけた格好で、「製造コストの引き下げや合理化に努めたが、売上高減少と円高分をカバーし切れなかった」(石原常務)。
商品部門別では、DVDプレーヤーが国内外とも好調で、売上高387億円、前年同期比187パーセントと大幅増。カーナビも1388億円、123パーセント増となっている。携帯電話やパソコン本体も好調だったが、ディスプレーやHDDなど価格が急落しているパソコン周辺機器が伸び悩んだ。
通期の見通しについては、「景気回復の本格的な手応えが感じられず、円高も変わらない」(石原常務)ため、連結で売上高7兆3000億円(同4パーセント減)を見込む。単独でも売上高4兆5200億円(同2パーセント減)、営業利益750億円(同7パーセント減)となる見込み。