セイコーエプソン(株)とエプソン販売(株)は、A4サイズ対応のインクジェットプリンター『PM-800C』など、プリンター4製品を発表した。新技術により4pl(ピコリットル)から39plまでインク噴出量を打ち分け、高画質かつ高速のプリントを実現したという。また、ワンタッチで装着できるロール紙4サイズを用意するなど、“デジタル写真のホームDPE”というコンセプトを全面に押し出した製品となっている。
A4対応のPM-800CとA3ノビ対応のPM-3300C
PM-800C、両機種ともデザインを一新し、丸みを帯びた形になった |
PM-3300C |
PM-800CがA4サイズ対応、PM-3300CがA3ノビまでの対応となっているほかは、2製品のハードウェア構成に違いはない。印刷解像度は1440×720dpi。新写真複合技術“フォト・ブースター”を搭載し、最小ドットは4plと、従来機種の6plより向上したという。これまで画質優先モードのみに採用されていた、サイズの違うドットを打ち分ける技術“マルチサイズドットテクノロジ(MSDT)”を全用紙、全モードに対応させたことで、普通紙や高速モード時でもなめらかな階調表現が可能になったという。
また標準ガンマ値を少し高めに設定した結果、シャドー側の色変換精度が向上した、としている。印刷スピードは、PM-800CがA4フルカラー時、“きれい”モードで3分38秒、PM-3300CがA3フルカラー時、同モードで6分14秒となっており、従来機種より1.5倍ほど高速化したという。
2製品では、同社が“フォト・ランチャー”と呼ぶ新写真仕上げシステムを搭載する。これは、ロール紙を使って画像を余白なしで連続印刷するもの。プリントを横方向に切断すれば銀塩写真と同様の結果を得られる、としている。ロール紙は、銀塩写真プリントのL版サイズとほぼ同じ89mm幅のほか、はがきサイズの100mm幅、A4幅、A3幅の4サイズが用意される。ロール紙の脱着はワンタッチで可能だが、オプションのホルダー(A3:2000円、A4:2500円)が必要となる。
専用ロール紙を使って連続印刷させたところ |
また新開発のインクカートリッジ『intellidgeインクカートリッジ』が採用された。これは各カートリッジにICチップを搭載したもの。インク残量をチップ内に記憶することで、使用途中に別のカートリッジに交換しても、残量情報がリセットされることがない。また新6色インクと新開発の専用紙『PM写真用紙<光沢>』を使うことで、銀塩写真プリントとほぼ同等の耐光性、耐水性を実現した“10年プリント”が可能になるという。
インターフェースはパラレルとUSBを装備する。ケーブルは同梱されない。本体サイズはPM-800Cが幅470×奥行き285×高さ175mm、重さ約5.6kg。PM-3300Cが幅599×奥行き285×高さ180mm、重さ約8.0kg。
発売は10月23日、価格はPM-800Cが5万9800円、PM-3300Cが7万9800円。
カードスロットを装備したPM-800DC
PM-800DCのカードスロットを本体前面に搭載されている |
PM-800DCは、PM-800Cに、TypeII対応のPCカードスロットを搭載したモデル。デジタルカメラなどで撮影した画像を記録してあるPCカードをスロットに差し込むと、専用ユーティリティー『PhotoQuicker』が自動的に起動し、画像のサムネイル表示を行なう。印刷画像とモード、サイズを選ぶことで印刷を開始する。
本体サイズは幅480×奥行き285×高さ195mm、重さ約6.4kg。発売は12月1日を予定し、価格は6万4800円。
普及価格帯のPM-760C
PM-760Cのデザインは、従来シリーズと同じ |
A4対応のPM-760Cは、従来機種の『PM-770C』とほぼ同等の性能を持ちながら価格を抑えた普及モデル。解像度は1440×720dpi。3サイズのインクドットを打ち分けるMSDTを採用し、6色インクによる高画質印刷が可能という。
iBookやG4にもマッチするカラーモデル |
同製品では特別モデルとして、カラーバージョンが用意される。色はブルーベリー、タンジェリン、シルバーの3色。合計3万台の限定となっている。
インターフェースはパラレルとUSB。本体サイズは幅429×奥行き261×高さ168mm、重さ約5.2kg。発売は11月13日、価格はノーマルのPM-760Cが3万9800円、カラーバージョンがそれぞれ4万1800円。
なお、新製品の発売に伴い、旧機種のPM-770CとPM-670Cは価格改定が行なわれ、1万円値下げしてそれぞれ4万9800円、2万9800円となる。