'99年4月1日に開設されたばかりの『avenu(アヴェニュー)』は、レジャー情報や通販サービスを提供するオンライン・ショッピング・モール。マレーシア国内の会社が提供するサービスだけを集めているところが大きな特徴だ。
社長の山森淳氏は、在マレーシアが8年に及ぶという現地通。日系広告代理店のマレーシア支店に勤務していた経験を活かし、ホテルや航空券の予約から、ビジネスのサポート、カラオケの予約までと幅広いサービスを提供している。
ちなみにavenuとは“Asia VErsatile meNU”の略で、“アジアの何にでも役に立つメニュー”という意味が込められているという。このほかにも山森氏は、マレーシアの現地情報を提供するJalan
Jalanというサイトも主催している。
--マレーシアにはいくつのプロバイダーがあるのですか?
「2つだけです。ひとつはマレー語で“ネット”を意味するJaring社。もうひとつはテレコムマレーシアが運営しているTMnet社です。この分野に関してはなかなか規制が厳しく、民間の参入は難しいというのが現状です」
avenuの山森淳社長 |
--マレーシアにおけるインターネットに対する意識は?
「子どもに対してのコンピューターに関する教育では、日本の比ではありません。小学校や中学校でコンピューターの授業があるのは当然で、幼稚園にも完備されています」
「就職する際の履歴書に、どんな種類のソフトがどれくらい使えるのかを明記せよというのはごく当たり前。コンピューターが使えてもMS
WordやExcelが使えますという程度では、日本人で言えば“日本語が話せます”というレベルにすぎません。コンピューターが使えないとなれば、ここマレーシアでは人並みの職業に就けないといっても過言ではないと思います」
「マレーシアではまだ若い国であり、人口の半分は25歳以下。45歳くらいで定年退職という発想が一般的なのです。平均寿命が62歳ということもあり、コンピューターに対する“アレルギー世代”というのが存在しないのが、IT産業が現在のように急進した主な理由といえるかもしれません」
avenuのトップページ、マレーシアに旅行する際には必見のサイトだろう |
--サイバージャヤがオープンして1ヵ月ほど経ちますが、何か変わったことはありましたか?
「MSCの構想が始まった当初から、マハティール首相の目指す夢と一般人のレベルの差が激しかったのです。強引に整備を整えてしまえば、人は後からついてくる。そのあたりを現地の人も政府もわかっているのだとは思いますが……」
「確かに海外では“サイバージャヤオープン!”とあちこちに書きたてられているようですが、普通に暮らしていて特別な変化というのは感じられないのが正直なところです」
--avenuの企業戦略や展開について聞かせてください
「現在は、マレーシアを拠点として様々な情報サービスを提供しているわけですが、同じようなサービスをシンガポール、タイ、インドネシアのバリでも、同じような企業と提携したり、支店や基点を作りながら多面的に展開していく予定です」
マレーシア情報を提供するjalan jalan、avenuとの相乗効果が見こまれるサイトだ |
「また、欧米の有名ブランドにも決して見劣りしない陶器や布製品など“生活の中でそのまま使える”ような製品、それでいて一般には知られていない製品が、アジアにはまだまだ沢山あります。avenuでは、それらアジアブランドを発掘し、世界に積極的に紹介していきたいと考えています」
「現在、avenuはまだ日本語ページだけですが、“アジア製品を世界に!”というコンセプトの元、英語ページの完成も間近です」