米モトローラ社の半導体部門は19日(現地時間)、米メトロワークス社を9500万ドル(約107億円)で買収することで合意した、と発表した。モトローラ社の半導体部門は組み込み型マイクロプロセッサー部門で世界最大手。メトロワークス社はアプリケーション開発ツール『CodeWarrior』で知られる。今回の買収についてモトローラ社半導体部門は、同社の組み込み型システム開発環境をより充実させるのが目的だとしている。
両社の発表によると、モトローラ社は、メトロワークス社の全発行済み普通株式を公開買い付け(TOB)で取得する。買収価格は1株当たり6.25ドル、総額約9500万ドルに上る見込み。メトロワークス社はモトローラ社の独立子会社となり、社名と現在の経営陣は変わらない。株式の公開買い付けは9月2日までに開始される見通し。
メトロワークス社はアプリケーション開発ツール分野の有力ベンダー。主力製品の『CodeWarrior』はC、C++、Javaなどの各言語と、PowerPCやx86、MIPSなどの各種プロセッサーに対応した統合プログラミングツールで、世界80ヵ国に20万人のユーザーを持つという。
モトローラ社の半導体部門は組み込み型プロセッサー分野の最大手。買収の目的について、同社半導体部門社長のヘクター・ルイズ(Hector
de J.Ruiz)氏は「メトロワークス社とその開発ツールは、組み込み型システムの開発環境としてもっとも優れている」とコメントしている。