(社)日本電子工業振興協会(JEIDA)は、平成10年度第3四半期(10月~12月)のパソコン出荷実績を発表した。
Windows 98とiMacが下支え
発表によると、平成10年度第3四半期のパソコン本体出荷台数は、185万2000台、総出荷金額は4888億円(前年同期比5パーセント増)となっている。本体出荷台数は前年同期比16パーセント増という、第3四半期としては過去最高の伸びを見せた。同協会では出荷が伸びた理由として、Windows
98の発売、デスクトップモデルの多様化・低価格化、ポータブルタイプの高機能化・多様化を挙げている。また、出荷台数が第2四半期に引き続き2期連続で前年実績を上回ったことから、ここ2年間続いていたパソコン市場の低迷が底を打ち、回復基調にあると分析している。
出荷商品の平均単価は、デスクトップ・サーバーが20万円、ポータブル(Windows CE機を含まず)が22万7000円と、ともに過去最低の価格を記録。同協会はこの理由を、新デザインのパソコンに対抗して各メーカーが低価格化の対応策をとったことや、安価な互換機が市場に認知されたことを挙げている。
iMacは新たな女性市場を開拓
---11月に、平成11年度の国内パソコン出荷予測を780万台(前年比8パーセント増)
としたが、達成しそうか「堅いと思っている。パソコン市場は回復しつつあり、1月に入ってもその動きは衰えていない。また、この春には情報分野の減税措置が予定されており期待がかかる」
---第3四半期の牽引役となったのは『iMac』か
「iMacは、女性を中心とした新しい市場を開拓したと言える。しかし、iMac効果を省いても2ケタ成長を遂げている」
---2ケタ成長の下支えをした層はどこか
「女性ユーザーや、中高年層の男性ワープロユーザーといった個人消費者層の新規購入が大きい。インターネットユーザーのうち、'97年は1ケタであった女性ユーザーが、'98年には25パーセントまで上昇したという報告がある。特に電子メールが人気のようだ」
「現在、新規購入は全体の2割程度だが、今後は3割にまで伸ばしたい」
---ダイレクト販売に特化したデルコンピュータ(株)の動きはどうか
「今回はカウント外となっている。米国のようなサポート体制を、日本にどう浸透させるかがカギであろう」
*平成10年度にパーソナルコンピューター出荷実績の自主統計に参加した会社は以下の通り。
アップルコンピュータ(株)、日本電気(株)、沖電気工業(株)、キヤノン(株)、三洋電機(株)、シャープ(株)、セイコーエプソン(株)、ソニー(株)、(株)東芝、東芝パソコンシステム(株)、日本アイ・ビー・エム(株)、日本ゲートウェイ2000(株)、日本ヒューレットパッカード(株)、パッカードベルNECジャパン(株)、(株)日立製作所、(株)PFU、富士通(株)、松下電器産業(株)、三菱電機(株)