ロータス(株)は、開発者向けに同社の最新技術/製品を説明する“Lotus
Developer Conference '99”を開催した。
基調講演では、米ロータス社の一部門である“Lotus Research”の最高責任者Irene
Greif(アイリーン・グリーフ)氏が、ナレッジマネージメントにおける新たなインターフェースについてスピーチを行なった。Lotus
Researchは、コラボレーションのニーズに焦点を当て、知識に関するさまざまな研究を行なっているコミュニティー。
Irene Greif氏 |
「知識には、ユーザーの頭の中にある“暗黙的な知識”と、自分の知識を他の人と共有できるようにファイルなどに具現化した“明示的な知識”の2通りが存在する。われわれは、Notes/Dominoという技術を用いて、こういった知識をどのように共有、考察できるかを研究するべく、2つのプロジェクトを立ち上げた」
「1つは“BigBoard”という掲示板であり、20人の開発スタッフが、それぞれ抱えているプロジェクトを実際の掲示板に記していくというものだ。これによりマネージャーはいつでもプロジェクト内容を確認でき、全体像を把握できる」
「もう1つは“Notes OverViews”。従来のデータベースの表示の仕方はすべてリスト形式であったが、このプロジェクトは他の表示方法を模索したもの。例えばデータを円グラフや散布図、世界地図などで一目でわかるように表示するといったものだ」
「この2つのプロジェクトにより、将来の製品のインターフェースを考察した。インターフェースは、自然にコラボレーションを促すものでなくてはならない。暗黙的知識から明示的知識、あるいは明示的知識から暗黙的知識というように、同じ情報をさまざまに変換できるようなインターフェースが必要となるだろう。ユーザー各自の情報を統合するのがグループウェアの役割だ。多くのユーザーと知識を共有できるようにしていくのが今後の課題だろう」
続いて、米ロータス社のクライアントプロダクトジェネラルマネージャーであるBlair
Hankins(ブレア・ハンキンス)氏がノーツクライアントについて説明した。
Blair Hankins氏 |
「『ノーツ R5』のクライアントは、エンドユーザー、およびシステム管理者の両方が使いやすいものになるよう設計し、カスタマイズ可能なイントラネットポータルを実現している。また、インターネットのクライアントとしても、ウェブブラウジング機能を改良し、メール機能も使い勝手の良いものにした。ユーザーからのフィードバックを多く組み込んでいる」
「今後の予定として、バグフィックスを中心としたメンテナンスリリース『ノーツ
R5.0.x』を年内に発表する。将来的に検討している機能については、モバイル用の各種デバイスへの対応、Windows
2000との連携、ウェブアプリケーションのオフラインでの動作などがある。どのような環境からでもドミノにアクセス可能で、ノーツを携帯電話やポケットベル、ハンドヘルドPCなどで利用できるようにしたい」
また、同氏は、新たなポータブルアプリケーションである『Domino
Runtime Service(DRS)』についても説明。「DRSは、ウェブブラウザーを利用して、ドミノベースのアプリケーションをオフラインで実行できるようにするもの。サイズは10~18MBと非常に軽い。今年後半にテストバージョンをリリースしたい」としている。
このLotus Developer Conference '99は、明日23日まで行なわれる。