米国のインターネット自動車販売情報仲介業の最大手、米autobytel.com社(オートバイテル・ドット・コム)は17日、都内で記者会見を開催し、インテック(株)など6社と合弁で、“オートバイテル・ジャパン株式会社”を設立すると発表した。
米autobytel.com社のマーク・ロリマー社長 |
米autobytel.comは'94年の設立で、インターネット上で自動車販売情報の仲介を行なう企業としては最大手。ユーザーから購買見積もりの依頼を受け、ディーラーにその情報を提供することで仲介手数料を得る。'98年の見積もり依頼件数は130万件で、成約に至った件数はこのうち約30パーセント。金額に直すと約1兆円で、これはインターネット自動車販売市場では最大だという。
オートバイテル・ジャパンの資本金は15億490万円で、インテック、伊藤忠商事(株)、トランス・コスモス(株)、(株)リクルート、(株)オリエントコーポレーション、イーソリューションズ(株)の6社が共同出資する。出資比率は米autobytel.comが33.3パーセント、インテックが16.6パーセントなど。代表者には、イーソリューションズの佐々木常世社長が就任する。設立は6月末、サービス開始は'99年11月を予定している。
オートバイテル・ジャパン代表に就任する佐々木常世氏 |
オートバイテル・ジャパンの事業内容は、顧客からの購入リクエストを加盟ディーラーに提供する情報仲介となる。ユーザーは、同社のウェブサイトにアクセスし、希望する車種などの条件を入力すると、ニーズにもっともマッチしたディーラーから、電子メールやファクスで見積もりが送られる。
加盟ディーラーの営業サポートには、米autobytel.comのノウハウであるインターネット営業サポートシステムを用いる。また、米autobytel.com社が営業マンを研修するために設置している“autobytel
university”(オートバイテル大学)の日本版の設置も予定しているという。
サービス開始当初の加盟ディーラー数は、200社を予定しているという。具体的な社名については今回は明らかにしていない。
合弁各社の役割はインテックがシステム構築、伊藤忠商事がディーラー支援、トランス・コスモスが販売マーケティング、オリエントコーポレーションがローンなど関連サービス、リクルートがユーザー情報、新車情報の提供を行なう。
イーソリューションズの加登吉邦(かとうよしくに)会長は、「オートバイテル・ジャパンはユーザー、販売ディーラー、メーカーのすべてが満足できるようなサービスを提供する」と語る。
米autobytel.com社のMark Lorimer(マーク・ロリマー)社長は、「今後は米国以外での展開に積極的に取り組む。2002年には、58パーセントの顧客が米国以外のものとなると予想している。日本でのインターネットの普及は今後加速するだろうし、自動車産業の規模は世界第2位だ。ニーズにマッチしたサービスを提供することで、日本の顧客を獲得したい」とコメントした。
オートバイテル・ジャパンのサービス展開スケジュールは、11月に新車情報の仲介を、2000年1月以降に中古車情報の仲介を開始するという。また、ローンについては11月、自動車保険の提供は2000年1月以降に行なうとしている。11月のサービス開始から1年間で、10万件の見積もり依頼と、そのうち10~20パーセントの成約を目標としている。なお、具体的な売り上げ目標額などは明らかにされなかった。