コンピュータ・アソシエイツ(株)は5月31日、小規模ネットワーク向けのデータバックアップソフトの最新バージョン『ARCserveIT』日本語版を発表、出荷を開始した。今回のバージョンアップで、製品の名称を従来の『ARCserve』から『ARCserveIT』に変更した。
今回発表の製品は2タイプ。SOHOなど小規模ネットワーク向けの『ARCserveIT
6.61 Workgroup Edition for Windows NT-Japanese』(以下Workgroup Edition)と、企業の部門単位での使用を想定した『ARCserveIT
6.61 Advanced Edition for Windows NT-Japanese』(以下Advansed Edition)というラインナップとなる。また、'99年第3四半期をめどに、UNIXに対応した『ARCServeIT
Enterprise Edition』のリリースも予定しているという。
コンピュータ・アソシエイツの三ッ森隆司社長。新製品の投入により、対前年比で70パーセントの売上増を狙うという |
Advansed EditionとWorkgroup Editionはいずれも、同社のシステム管理ソフトウェア『Unicenter
TNG Framework』を基盤として開発されている。Advansed Editionの場合、ネットワーク上に複数存在するARCserveITがインストールされたサーバーを統合して管理、運用できるという。
両製品とも、対応OSはサーバーはWindows NT Server 3.51/4.0、クライアントはWindows
95/98/NT Workstation 4.0をサポートする。価格はAdvansed Editionが34万円、Workgroup
Editionが15万円となる。
Advansed Editionのみの新機能としては、ディスクの残り容量が設定した容量を下回ると、アクセス頻度の低いファイルを自動的にバックアップメディアに移行させる“Data
Migration Option”がある。この機能では、MOかテープドライブかなど、どのメディアにバックアップを取るかを設定することも可能。また、SAN(*)にも対応しており、Advansed Editionをインストールしたサーバーを複数台クラスター接続して、大規模なバックアップシステムを構築することも可能という。
Workgroup Editionは、SOHOなど小規模ユーザーを対象とした製品で、Windows
NT Serverをインストールしたサーバー1台で使用可能。管理するクライアントの数に制限はない。また、マイクロソフトテープフォーマット(MTF)にも対応しており、Windows
NTバックアップユーティリティーからの移行もサポートする。
今回発表されたARCServeITには、各種のアドオンソフトがオプションで提供される。おもなものとしては、RAIDに対応した『ARCserveIT
Workgroup/Advanced Edition RAID Option 6.61 for Windows NT-Japanese』(価格19万9000円)、テープストレージをサポートする『ARCserveIT
Advanced Edition Tape Library Option 6.61 for Windows-Japanese』(19万9000円)などがある。
また、『Microsoft Exchange』、『Lotus Notes』、『Microsoft SQL Server』などに対応したバックアップエージェントもラインナップされている。価格は、Exchangeエージェントの『ARCserveIT
Workgroup/Advanced Edition Backup Agent for Microsoft Exchange 6.61 for Windows
NT-Japanese』が9万8000円などとなっている。
同社では、旧バージョンからのアップグレードサービスも有償で提供する。たとえば、『ARCserve
for Windows NT J2.X』からWorkgroup Editionへのアップグレードの場合は、3万円となる。
注1):SAN:Strage Area Networkの略で、ネットワーク構築のための基本概念。LAN環境でのクライアント・サーバーの図式をストレージデバイス中心に置き換えたもの。共有されたストレージデバイスネットワークには複数のクラスターサーバーが接続し、クライアントは同サーバーを通じてデータにアクセスできる。クライアント・サーバーの環境とは異なり、データは個々のサーバーに蓄えられないため、1つのサーバーがクラッシュしても、他のサーバーを通じてストレージデバイスにアクセスすることができ、システムの信頼性を高めることが可能になるという