ソフトバンク(株)は東京・同社本社にて、韓国C.C.R社(以下CCR)の開発したブラウザーソフトのレイアウトをカスタマイズするシステム『X2Web』の国内販売について記者発表会を開催した。
このシステムは、ウェブコンテンツ提供者がブラウザーのデザイン自体をユーザーに配信するもの。Internet
Explorer(以下IE)に対応し、ユーザーは無償でダウンロードできる“X2Webプラグイン”をIEにインストールして利用する。
コンテンツ提供者は“X2Webサーバー”と呼ばれるコンテンツサーバーにレイアウトデータと素材を置き、HTMLデータにX2Webプラグインを呼び出すコマンドを挿入する。ユーザーがコマンドの埋め込まれたホームページを参照すると、プラグインが自動的に素材をダウンロードして独自レイアウトのブラウザーが開かれる。クライアント側の対応ブラウザーはIE
3.02以上。対応OSはWindows 95/98/NT 4.0。
同製品を利用することで、企業ウェブサイトで、その会社の製品パッケージを模したブラウザーを表示させたり、教育機関において、URL入力のできないようなブラウザーを作成することもできる。
サンプルとしてCCR社が制作した飲料水メーカーのウェブイメージ。通常のブラウザーよりもインパクトのあるコン |
テンツ配信が可能になる
同じくサンプルとしてCCR社が制作した検索サイトのウェブイメージ |
X2Webコンテンツの作成には『X2Webジェネレーター』を使用する。X2Webジェネレーターでは、素材となるレイアウトデータに埋め込むIEの機能の選択や、HTMLデータを表示する部分の設定、URL表記の場所などの情報をマウスのドラッグアンドドロップで設定できる。
サーバーにコンテンツを置かずに、ローカルマシンでブラウザーのレイアウトを変更することも可能で、独自レイアウトのブラウザーを実行形式ファイルで作成することもできる。CCR社では同製品で作成したブラウザーを、韓国のサムソン社へOEM提供しており、サムソンが今後発売するパソコンには独自デザインのブラウザーが標準で搭載されるという。
サーバー向けソフトウェアの価格は、1サイトで利用可能な中規模のウェブサイト向け製品で60万円、3サイトで利用可能な大規模のウェブサイト向け製品で300万円。また、コンテンツの作成だけが可能な個人向け製品を年内に販売する予定という。
CCR社のYoun,Seok Ho(ユン・ソク・ホ)氏は同製品の開発について次のようにコメントした。
「インターネットには非常に多くのコンテンツがあるが、どれも同じ枠の中に表示されているため、見栄えがしない。現在、多くのユーザーが使用しているブラウザーは全体の約32パーセントが、定型のボタンやURL表示で占められている。多くのユーザーがこれらのブラウザーに対して何の疑問もなく使ってきている。これはテレビの上部に邪魔な字幕があるようなものだ。X2Webを導入することで、今まで以上にユーザーにインパクトを与えることができる」
ソフトバンク、ソフト・ネットワークカンパニー、プレジデントの宮内謙氏は、同製品の国内発売について次のようにコメントした。
「現在、ソフトバンクでは、熱狂的にインターネット部門に対して力を注いでいる。インターネットビジネスを遂行する中で、X2Webを利用し、ブラウザーの自由な表現を提供させることで、インターネットビジネス普及の為のインフラになるのではないかと期待している」