米ナショナル・セミコンダクター社は5日(現地時間)、'97年に買収し、現在同社の位置部門であるサイリックスが行なっているパソコンのプロセッサー事業を売却し、同事業から撤退すると発表した。また、0.18μmルールチップの製造ラインがある、メイン州サウスポートランドのウェハー工場を売却する意志があることも明らかにした。現在、プロセッサー事業およびウェハー工場の売却について、それぞれ交渉中であるという。
撤退の理由として同社では、新しい情報機器市場とアナログ製品事業に注力するためとしている。また、同時に早期退職や自然減を含めて550人を削減すると発表した。
これにより『MII』をはじめとした"ソケットコンパチブル"なインテル互換プロセッサーからは退くことになるが、もう一方のインテル互換プロセッサーである、グラフィックスなどの周辺チップを統合した組み込み製品用の『MediaGX』事業は今後も継続される。
MIIプロセッサーの後継となる、『Cayenne(カイエンヌ)』コアを搭載した『Jedi(ジェダイ)』や、さらにその後継の『Jalapeno(ハラペーニョ)』コアを搭載したプロセッサーについては、売却先からの発表になるもよう。
なお、サウスポートランドの工場では、MIIプロセッサー以外にMediaGXやI/Oチップも生産しており、売却後も委託生産の形で、同工場での生産は続けられる見通し。