マイクロソフト(株)は、DirectX対応製品の開発または販売を行なっているハードウェア/ソフトウェアベンダーを対象にした、Windowsゲーム互換性テストイベント“Microsoft
DirectX Days 1998 SPRING”を開催した。25日と26日の2日間にわたり、各メーカーによる互換性テストセッションが行なわれる。
DirectXプレスブリーフィング
25日の夕方からは報道関係者向けに、米マイクロソフト社のDirectXプロダクトマネージャーであるKevin
Bachus(ケビン・バッカス)氏による、DirectXの技術説明会が行なわれた。同氏は「DirectXは、広範囲のハードウェアに対し透過的なアクセスを提供するために設計されている」と説明、これは重要なことであると強調した。また「Windowsテクノロジーロードマップのホーム向けソリューションの中心はファミリーPCである。そのほかに家庭用ゲーム機やリビングホームPCなどがあるが、やがてファミリーPCがこれらすべてを含んだ形になっていくだろう」と語った。
また、将来の布石としてWindowsNTを挙げ、「将来WindowsNTがコンシューマー向けに進化し、企業にとって魅力あるNTが、コンシューマーに対しても魅力あるものになっていくだろう」と語った。しかし、すぐにWindows95やWindows98に置き換わるものでもないとしている。なお、DirectX5.0はWindows98に統合、プリインストールされ、DirectX6.0はWindowsNT5.0に統合される。さらに同氏は「マイクロソフトは“見て聞いて学習するコンピューター”の開発を目指す」とし、視覚的にユーザーの表現やジェスチャーを認識し、音声や文章を使ってユーザーと会話、ユーザーの好みを学習できるようなコンピューターの開発に力を注いでいると語った。
DirectX6.0の主要な新機能
その後、DirectX6.0の主な機能が説明された。注目されるのは、DirectX3Dの強化である。まずパフォーマンスの高速化が挙げられる。同氏は、パフォーマンス向上の変化として、30ドルで実現される1秒あたりの表示可能なポリゴン数を示し、'97年第4四半期は100万ポリゴンであったのが、'98年第2四半期は400万ポリゴンとなっていると説明、さらに'99年第1四半期には1000万、'99年第4四半期には2500万になるだろうとしている。また、“シングルパス・マルチテクスチャリング”により、ふたつのテクスチャーをポリゴンに適用し、各効果を同時に実現できるようになった。これにより、高度なフォトリアリズムを提供できるほか、'98年最新のハードウェア仕様をサポートしているという。さらに、DirectMusicがある。MIDIコントロールや、MMA(MIDI Manufacturers Association)の業界標準であるDLS(DownLoadableSounds)のサポート、インタラクティブミュージック制作ツール(テンポやムードの変化などの音楽テクニックをリアルタイムで提供、基本のキーは変えず画面で起こる変化によってスムーズに変化させる)などを備えており、同氏は「完全な音楽ソリューションを提供できる」と語っている。そのほか、開発者がネットワークに特化したゲームを制作できるDirectPlayなどがある。
気になるスケジュールについては、第2四半期にベータ版が、今年後半に正式版がリリースされる予定で、同氏は「クリスマス用のタイトルに使用できるようにしたい」としている。
ここでも目を引くVoodoo2
会場内では、ハードウェアメーカーによるデモンストレーションが行なわれており、特に米3Dfx
Interactive社のVoodoo2チップセットを搭載したグラフィックアクセラレーターボード『3D
Blaster Voodoo2』(クリエイティブメディア(株))と『Monster 3DII』((株)ダイアモンド・マルチメディア・システムズ)に注目が集まっていた。
『3D Blaster Voodoo2』のサンプルボード(左)、『Monster 3DII』(右) |
新ゲームパッドを今秋発売
なお同社は、今秋に新しいゲームパッド(コードネーム『Tilt(チルト)』)を発売するとしている。Tiltは従来のゲームパッドとジョイスティックの機能を合わせ持ったもので、形状はゲームパッドだが、上下左右に傾けることにより、ジョイスティックのように画面コントロールが行なえるという。このTiltは、3月20日に開催される“東京ゲームショウ
'98 春”で展示される予定だ。(報道局 桑本美鈴)
http://www.microsoft.com/japan/