クラリオン(株)は、8日に発表した車載用コンピューターシステム『Clarion
AutoPC』の製品説明会を開催した。
同製品は、米マイクロソフト社がWindowsCE 2.0をベースに開発した車載用OSである『Auto
PC powered by Microsoft Windows CE 2.0』(以下Auto PC)に対応した、車載用コンピューターシステム。Auto
PCの標準機能である音声認識、音声読み上げ、矢印とストリート名称、距離を表示するシンプルナビゲーション、住所録、車内で交通情報・天気・ニュース等の情報入手が可能な無線データ通信、ラジオ、CD/CD-ROMプレーヤー等を搭載する。
さらに、Clarion AutoPCのオリジナル機能として、音声録音、緊急通報システム、携帯電話接続、データ管理、マップを表示し交差点での自動誘導が可能なナビゲーションを追加している。なお、オリジナル機能については、オプションの周辺機器やアプリケーションソフトが必要なものがある。
OSのアップグレードやアプリケーションソフトのインストールは、CD-ROMやコンパクトフラッシュを利用して行なう。そのほか、USB(バッテリーライン用やアース用などにピンを追加、計8ピンで構成)やPCIバス、コンパクトフラッシュカード、赤外線通信ポートなどを車載用に開発、装備している。
説明会場にて同社は、「『Clarion AutoPC』は、クラリオンの提案するカーマルチメディア構想である“IN-CAR
NET(インカーネット)構想”の核となるもので、音響・映像・通信・コンピューターを統合した画期的な製品だ。これからも2弾、3弾と他社に先駆けて開発し、ITS(高度交通システム)を視野に入れ継続して努力していく」と語った。
OSであるAuto PCについては「ROMベースで起動が速く、HDD不要、小容量メモリーで動作し、音声コントロール可能といった、車載に適合した初めてのOS」だとし、デファクトスタンダードになり得るものとして採用したと説明。「いままでのカーオーディオなどの車載用システムが、クローズドな環境であったのに対し、オープンスタンダードなOSを採用することで他社との差別化を図りたい」としている。
同製品は、米国で6月に発売される。価格は1300ドル(オプションを含めて2400ドル)。日本語版の発売は来年になる予定。なお、国内ではナビゲーション機能を重要視しなければならないため、表示画面を大きくするなど、形状が変わる可能性もあるとしている。(報道局 桑本美鈴)
http://www.clarion.co.jp/