米Intelと米Hewlett-Packardは6月13日、IA-64用Linuxアプリケーション開発キットをリリースした。キットにはIA-64 Linuxをシミュレートする“IA-64 Linux Simulator”のほか、カーネルやドキュメントなどが含まれる。IA-64はIntelの次世代CPUアーキテクチャの名称で、第1世代の製品として今年後半に“Itanium”の出荷が予定されている。
IA-64 Linux Simulatorは、IA-32 (PentiumやCeleronのような現行のx86アーキテクチャ)でIA-64の命令セットをシミュレートするソフトウェアで、Linuxカーネル2.2で動作する。命令の並列実行やマルチプロセッシングをサポートしないという制限はあるものの、実際にIA-64のコードを実行することが可能だ。
今回のキットのリリースは、IA-64でLinuxをサポートしようという一連の動きの最新のもの。以前から、Itanium出荷と同時にLinuxをサポートしようとさまざまな企業が準備を進めている。たとえばLinuxカーネルの移植は、IntelやHewlett-Packardのほか、多くのLinuxディストリビュータが参加する“Trillian Project”が進めており、すでにベータ版をリリースしている。Red HatはIA-64 Linuxディストリビューションのアルファ版をリリースしている。これらの企業の努力によって、IA-64 Linuxが早期に稼動し始めるのは確実といえるだろう。