Linuxディストリビューション界の新勢力として、最近特に元気がいいのがKondara MNU/Linux (以下Kondara)だ。コミュニティによる活発な開発と、「ぐはっ(吐血)」という言葉に象徴される独特なノリの良さで、次第に存在感を増してきているディストリビューションである。
そのKondaraが、今後はDebian GNU/Linux (以下Debian)ベースに開発を行なうと発表した。いままでKondaraは、Red Hat Linuxをベースにしていた。
役員もDebian体制にシフト
また、現Kondara Project代表の保科氏が任期完了のため相談役に退き、新代表に菊谷氏が就任することが同時に発表された。菊谷氏は「人生を背負い投げ」という豪快なシグネチャで一世を風靡した経歴の持ち主で、Kondara Projectにおいて「師匠」というニックネームで親しまれている。また、同氏はKondara Project、JF Project、Debian Project、Debian JP Projectのメンバーでもある。
「Kondara 1.xでは、数々の赤帽の亜流を淘汰してきた。Kondara 2.xでは、Debianの亜流をすべて淘汰する」と菊谷氏は息巻く。これは、Dice、でびまるなどの登場により宗教戦争の多発していたDebian業界を強く意識した発言だ。
なぜ、いまDebianなのか?
しかし、ベースディストリビューションの乗り換えは大変な作業を必要とする。少なくともパッケージはすべて作り直さなければならないうえに、Debianの「apt-get」(パッケージを容易に扱うためのコマンド)と同機能を持つ「mph-get」などの開発成果が無に帰することにもなる。さらに「なぜ別の団体を立ち上げるのか」「抜き打ち的に発表するとはヒドい」というFAQにも答える必要が出てくるだろう。
これは、あえて地雷を踏んできたKondara Projectだからこそできた決断だといえる。
なお、Kondara Projectはジョークが好きなことでも知られており、4月1日がその絶好のチャンスだったことは間違いない。