米Red Hatは3月27日、Red Hat Linuxの最新版「Red Hat Linux 6.2」を、同社のFTPサイトおよびミラーサイトで公開した。サポートするアーキテクチャはIntelとSPARC。パッケージ版が発売になるのは、FTPサイトでの公開から遅れて4月10日となる。
パッケージ版は次の3種類の製品があり、それぞれバンドルされるソフトウェアやサポートの期間が異なる。
Standard Version
価格: 29.95ドル
収録物:
- Red Hat Linux 6.2 (CD 2枚組)
- ソフトウェア アップデートのための優先オンラインアクセス (30日間)
- WebまたはFAXによるインストールサポート (90日間)
- インストールガイド
- Documentation CD (Linux関連のFAQやHOW-TOが、テキストやHTML、PDFで収録されている)
Deluxe Version
価格: 79.95ドル
収録物:
Standard Versionに加えて
- ソフトウェア アップデートのための優先オンラインアクセス (90日間)
- 電話によるインストールサポート (30日間)
- Getting Started Guide
- PowerToolsアプリケーション
- Workstationボーナスアプリケーション
Professional version (カナダ以外への輸出は禁止されている)
価格: 179.95ドル
収録物:
Deluxe versionに加えて
- ソフトウェア アップデートのための優先オンラインアクセス (180日間)
- Apacheおよびe-commerceの設定のサポート
- Apache/SSLインストールガイド
- 128ビット長の暗号をサポートするセキュアなWebサーバ
- Serverボーナスアプリケーション
- CCVSの30日間無料トライアルキー
- VeriSign SSL認証を10%割引
Red Hat Linux 6.1からの変更点
Red Hat Linux 6.1はマイナーバージョンアップということもあって、たとえばXFree86 4.0を採用するような大きな変更はない。主要な変更点は次のとおりだ。
- サーバとクライアントの分離
- ネットワークサービスのサーバとクライアントを分離して、別々のパッケージにした。対象となったパッケージは、telnet、finger、talk、rsh、rusers、rwall、tftpの7つ
- rpmdb-redhatパッケージの導入
- rpmdb-redhatはRed Hat Linux 6.2に含まれるすべてのRPMのデータベースが入ったパッケージで、これにより、依存関係をより早く解決することができる。たとえば、ライブラリ「libldap.so.1」を含むパッケージを見つけたい場合、
# rpm -q --redhatprovides libldap.so.1
openldap-1.2.9-5
とすることが可能になる - ソフトウェアRAIDの性能向上
- Pentium IIIを搭載したシステムで、ソフトウェアによるRAID5の性能が向上した
- 多くのデーモンをデフォルトでは起動しなくなった
- 対象となるのは、amd、bind、dhcpd、inn、knfsd、sambaデーモン
- フォントの自動認識
- フォントサーバの起動時に、追加されたフォントを自動で認識するようになった
- 米国の暗号輸出規制緩和により、次のパッケージに変更が加えられた
-
- mutt、pine、fetchmail、cvs、imapがkerberosをサポート。また、rlogin、rsh、telnet、ftpにkerberosをサポートしたパッケージが加わった
- GNOMEベースのKerberos設定ツールを採用
- GNU Privacy Guard (GnuPG)を採用。ただし、RSA・IDEAアルゴリズムをサポートするモジュールは、米国で特許が成立しているため付属しない
- 128ビット暗号をサポートするNetscape Communicatorの採用
- ラージメモリのサポート
- 4GBまでのメモリ容量を自動認識するようになった
- 「Beowulf」をサポート
- Beowolfには、PVM 3.4.3 (Parallel Virtual Machine)、LAM 6.3.1 (MPIライブラリ環境)、make-pvm (PVM対応のGNU make)が含まれる
- ISDN設定ユーティリティの追加
- isdn-configパッケージが追加された。ただしこれはISDNカードに対応するもので、TAが普及している日本にはほとんど関係がない
- ダブルバイト文字の表示が可能に
- Netscape Communicatorで、日本語や中国語、韓国語の表示が可能になった