GNU Projectの標準マニュアルフォーマットであるtexinfoで書かれたマニュアルを、日本語に翻訳し、パッケージ化することを目的とするプロジェクト「GNU日本語ドキュメント・パッケージ(以下GNUjdoc)」が、GNU ProjectのWebサイトの「Software」ページに加わった。
UNIXの標準マニュアルフォーマットであるroffフォーマットのマニュアルは、JM ProjectやX Japanese Documentation Projectによって日本語への翻訳が進められ、その成果を現わしているが、GNU Projectの標準マニュアルフォーマットであるtexinfoで書かれたマニュアルは、現在個人がボランティアで個別に翻訳しているのが現状。
GNUjdocはGNUの日本語化されたマニュアルを一元的に管理し、簡単にインストールできるような仕組みを提供することを目的としている、という。また、現在の問題点として、
- あるマニュアルが日本語訳されているかどうかを、簡単に知る方法がない
- あるマニュアルの日本語訳がどこにあるのかを、簡単に調べる方法がない
- マニュアルごとにインストール方法がばらばらで、ユーザーにとって面倒
- 自分が翻訳したマニュアルを、どのように他の人に使ってもらえるのか分からない
などが挙げられている。これらの問題を解決する方法として、マニュアルを「CVS」で管理し、「Autoconf」と「Automake」を用いてパッケージ化するという作業を行なっているという。
GNUjdocがGNU Projectの認知しているソフトウェアに加わることによって、
- 配布方法の統一
- 翻訳する際の用語の統一などによる質の向上
- これまでに個人のボランティアにより翻訳されたマニュアルを1カ所にまとめることができる
- GNU Projectが認知しているという安心感が得られる
ことなどが期待される。
現在配布されているマニュアル(未完のものを含む)には、
- Autoconf 2.12
- Automake 1.3
- Bison 1.28
- CVS 1.10.7
- Emacs 20.3
- Flex 2.5.4
- GDB 4.18
- gzip 1.2.4
- Hurd 0.2
- GNU coding standards
などがある。
インストールには「Autoconf」と「Automake」の知識が必要となり、「RPM」などのパッケージ管理ソフトウェアを使用しているようなエンドユーザーには少しハードルが高いかもしれない。また、見方を変えるとLinuxのディストリビューター向けといえる。
現在、GNUjdocの管理は、山下貴生氏によって行なわれている。
「CVS」を利用したマニュアルの取得方法は、以下の「gnujdoc site」ページを見ていただきたい。