ビジネス複合機は、実売10万円台でコンパクトなデスクサイド機と、給排紙トレイや企業の基幹システムと連携する拡張性の高さを持つ高機能機、それらの中間に位置して部署・部門単位の印刷・スキャンなどを受け持つミドルレンジに大別できる。
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が2月19日に発表・同日出荷開始する「HP Color LaserJet CM3530/CM3530fs MFP」は、ミドルレンジに位置づけられるオフィスA4カラーレーザー複合機だ。
A4カラーモノクロとも、毎分30枚のプリント/コピー出力が可能な高速タンデムエンジンを採用し、両面スキャン対応のADF(自動原稿トレイ)および両面印刷機能を標準で備える。
上位機のCM3530fsはファクス機能と簡易ステープル機能を搭載するのが特徴で、簡易ステープル機能とは組み込み型のステープラー。印刷された用紙を側面の凹みに差し込むことでステープル(ホチキス止め)できる。プリンターのそばにステープラーを置いても、すぐに誰かが持ち去ってしまう、というオフィスでは重宝するだろう。
光り物の多い複合機!?
省電力&省トナーのための工夫も
インターフェースはハーフVGA表示のカラー液晶パネルを搭載し、タッチ操作が可能。排紙トレイは操作パネルの下に位置し、手元を明るく照らすLEDライトを備える。このほかADF(用紙セット時)や電源ボタンもLEDライトで照らし出されるため、オフィスから退社する際に消灯すれば電源の切り忘れやスキャン/コピー原稿の置き去りがひと目で分かるというわけだ。
HPではオフィスのネットワーク接続プリンターをまとめて管理するユーティリティーソフト「HP Web Jetadmin」(Windows 2000/XP/Vista、Windows Server 2003対応)を無償提供している(関連記事)。ネットワーク上のHP製プリンター(インクジェット/LBP両対応)をまとめて管理できるソフトウェアで、複数台のプリンターに対して一括でセキュリティー設定や、インク/トナーの残量を確認することが可能だ。
さらに本機には「EWS」(組み込みWebサーバー)が搭載されており、Webブラウザーからカラー/モノクロ印刷の可否などを指定できる。例えば印刷枚数が多い部署(ユーザー)はモノクロでしか印刷させない、ExcelやPowerPointであればカラー印刷を許可するが、WordやWebブラウザーからはモノクロ印刷のみ、といった具合にユーザーやアプリケーション単位での設定が行なえる。
価格は上位機CM3530fsが39万8000円、下位機CM3530は33万8000円。ランニングコスト(同社調べ)はカラー13.7円、モノクロ2.24円で、トナーカートリッジはモノクロ2万1800円(約1万500枚印刷)、CMYカラーが各2万9800円(各約7000枚)となる。