すでに遊ばれた方は分かると思うが「Fable II」の完成度は「スゴすばらしい!」。ゲーム性やボリューム感などのゲームクリエイター側が関与する部分だけでなく、オリジナルの良さを引き立たせたローカライズも賞賛に値する完成度の高さなのである。実際には相当なご苦労があったと思い、「Fable II」の日本語版のローカライズスタッフにお話を伺ってきた!
未だかつてない
50万ワードという大ボリューム
――では、早速ですが、「Fable II」の話題に。
最初に、ローカライズ話が持ち上がったのはいつくらいですか?
吉田:前作に日本語版があるタイトルなので、アメリカで「II」の話が出始めた時に、「いつか来るんだろうな」とは、思っていました。ただ当時は担当すら決まってなく、規模なども漠然としか見えていない感じでした。自分が担当することが決まって、全体像をちゃんと把握したのは2008年に入ってからでした。
――実際にゲームのボリュームを知って
どう感じましたか?
吉田:前作「Fable」のゲーム内容も知っていますし、ボリュームも理解しているんですが、最初は現実味ある認識ではなかったですね。実際に、作業規模がみえてきたのは、スケジュールを組み立てて詳細が見えて来た時にやっと「これはやばいぞ!」という実感が持てたという感じです。それでも予期しない問題は起こるもので、やり終えて初めて「これが50万ワードか!」と身をもって理解できました。
――やっぱり、「間に合うだろうか?」というくらいの規模だったんですか?
吉田:規模的には不安を感じたこともありました。ただ、考え方としては、「間に合うだろうか?」ではなく、「どうやったら間に合うだろうか?」でしたね。でも、いちばんに感じたのは、「Fable II」がユーザーさんからの期待の高いタイトルでしたし、前作のローカライズの評判も高かったので、「期待を裏切らない仕事をしよう」ということでした。
――では、実際の作業の規模はどれくらいでしたか?
吉田:ゲームのコンテンツは、年々大きくなって来ていますが、今までは10万ワード前後だと大きめのタイトルという認識です。ですが、「Fable II」では5倍の前述したように50万ワードでした。開始当初は、実感としての作業量が分からなかった感じです。
――数が大きすぎて実感がわかないのですが、
10万ワード規模だと、翻訳にはどれくらいかかるものなんでしょう?
吉田:開発のプロセスにもよりますが、急務の場合はテストを含めて2~3ヵ月ほどのこともありますし、初期段階からプロジェクトに関わることができれば、半年以上前から始めることもあります。そういう意味でいえば、「Fable II」はギリギリでのスケジュールでした。
――ギリギリになった理由というのは?
吉田:どこをどう日本語化するかの社内調整や準備に少々時間が掛かった感じですね。結果としては特典ディスクも含め、すべて日本語化することができました。
――作業だけでなく内部調整でもだいぶご苦労されたんですね。
吉田:多少の苦労はありましたが、作業の苦労とは比べものにならないですね。とはいえ、作業もいま思うと大変だけど、楽しかったですね(笑)
山沢:作業は規模が膨大が大変でしたが、その分やりがいはありました。
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