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会社引っ越し ブレードで仮想化大作戦 第4回

~ ブレード&仮想化のホンネ ~ 今度はストレージが欲しくなっちゃった!

ブレード&仮想化2 現状編「事件は現場で起こってる」

2009年02月18日 08時30分更新

文● 志村 拓

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もう1つの問題―仮想マシン自体

 もう1つの問題点は、ある条件下においてVMwareの仮想マシンのパフォーマンスが思ったほど上がらないことだ。既に社内用の社員名簿検索やイントラ用Webサーバー、またテストや開発を行なうためのサーバーを仮想サーバー上に構築し、サービスを切り替えている。これらについては、何の問題なく、しかも、利用者に気づかれることなく切り替えに成功している。

 上記のような、比較的処理が軽めのモノについては、全く問題なく動作しているのだが、長い時間CPUやHDDに負荷がかかるようなシステムが、いまひとつうまくない状況なのだ。実際に、大きなサイズのファイルを作成するような処理を行なうと、最初はドドーンと景気よく割り当てられるCPUなどのリソースが、ものの数十秒でみるみる絞られてしまい、気分的には8080?(多少誇張表現あり^_^)くらいの実行速度になってしまうのである。

 BYTE UNIX Benchmarks 4.1でベンチマークを取ると、プロセス生成とシェルクスクリプト実行の遅さを除けば、問題は見当たらず、非常に妥当な結果となっている。さしずめ、事件はベンチマーク上じゃなく、現場で起きているんだ!といったところか。

 VMwareの各種パラメータを調整しても、事態は改善されず、もはやお手上げ状態だ。やはり、きちんと製品版をしかるべきベンダーから購入して、構築してもらわねばならないのか。と諦めかけていたところに、新しい版のVMwareがリリースされたとの情報を得た。リリースノートを見る限りでは筆者の期待する文言を見つけることはできなかったが、他にできることもないので、ブレードの一枚にインストールしてみた。現場は何事もなかったように速くなってる!ただし最初の1回だけ。筆者がddコマンドなどで簡単な試験を行なったところでは、キャッシュの効果かもしれないが、ブレードに直接CentOSをインストールした場合に比べ140%強の速度が観測された(最初だけ)。もし、VMware ESXi 3 Update2(Build:110180)で筆者と同じような状況にある向きは、VMware ESXi 3 Update3 (Build:123629)を確かめてみることをお勧めする。

IBMから吉報

 こうした具合に、現場で発生する問題を打破すべく、ネットを調べたり、メーカーに聞いてみたりと、現場100回的地道な捜査(調査?)を行なっていたところ、IBMさんから吉報がもたらされた。2008年9月末に発売が開始されたIBM BaldeCenter S SAS RAIDコントローラー・モジュールを評価してみませんか? とのお誘いを得たのだ。

 このコントローラがうまく使えれば、ストレージの問題を解決することができる。しかし、既に弊社で導入したブレードサーバーは2台のシャーシ共に前述の問題を抱えながらも実運用状態にある。コントローラだけ借りても、評価運用することはできない。

IBM BladeCenter S

ぴったりと収まった、IBM BladeCenter S

 厚顔無恥にもブレードサーバー一式ごと借用するお願いをし、弊社マシンルームに3台目のIBM BladeCenter Sが届いたのは2008年の忘年会がちらほらと開催されはじめるころだった。46Uのラックのうち1/4ラックに空きがあったので、そこにマウントすることにした。実質10Uの空間に7Uのシャーシなので、測った用にピッタリと収まった。

 IBM BaldeCenter S SAS RAIDコントローラー・モジュールを使ったHDDのRAID化と複数ブレードでの共有を試すことは、もろちん最大関心事である。が、せっかく自由に運用できるマシンが入手できたので、他の仮想マシン環境も試してみることにしよう。Xenは既に技術部内で評価済みなので、MicrosoftのHyper-Vを評価してみようと思っているので、乞うご期待。

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