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商標登録まだ!? マイクロソフトの新OSと青空の関係

2008年10月30日 13時00分更新

文● 遠竹智寿子

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クラウドの覇権は、誰が握るか


 もちろん、ヤフーだって、グーグルだって、そしてアマゾンだってこの市場を狙っている。「クラウドコンピューティング」とは、もともとグーグルのエリック・シュミットが言い出した言葉だった。

 基調講演で印象に残ったのは、同社バイスプレジデントで、Server & Tool Unit担当のBob Muglia氏のプレゼンテーションだ。

 同氏は、この講演で誰よりも高いテンションで、開発者やビジネスパートナーのメリットを熱く語った。

Azure Services Platform上でのアプリケーション構築には、既存のスキルやツールがそのまま活かせるという

「Windows Azureは、まったく新しい次世代のプラットフォームとなる。今日は、Windows NTを発表した1992年のPDCを思い出しているんだ。NTは、その後のマイクロソフトを位置付けることとなった画期的なOSだが、今日紹介している(Windows Azureの)テクノロジーは、その時と同じインパクトがあるものだ」

 Muglia氏は、開発者は、Visual Studio、.NET 、SQLなど馴染みのある開発ツールやサービスを利用すればよいが、「M」という新プログラミング言語を使った「Oslo」と呼ばれるモデリングアプリケーションも今回提供されると語っていた。「M」という響きが気になる。これは残りのPDCで詳しく説明される。



海外メディアの分析はコメントは?


 ところで先日掲載した記事で触れた「Strata」の名前が、なぜPDCのアジェンダに掲載されたのかは謎のままだ。 「Azure」という単語の意味は「空色、青色」だ。晴天の時の青々した空色を思い浮かべるといい。読み方は「アズール」だが、ネイティブが発音すると「アジャー」とか「アジュー」と聞こえる。マクドナルドを米国では「マクダナー」と発音しないと通じないように、この手の単語は日本人にとって少々面倒だ。

Azure上で動作するモバイルアプリケーション「BlueHoo」のデモンストレーションも紹介された

 さて、米国のニュースサイトやブログなどは、Windows Cloudを大きな発表と受け止めており、発表直後からかなりの賑わいだ。Windows Azureとは何か?という話題が多い。アナリストが出てきてコメントしたり、市場はどうなるといった分析をしたりと、いろいろだ。タイトルから何となく様子が伺えるので紹介しておこう。

  • The New York Times: "Windows in the Cloud" ?
    クラウドの中のウィンドウズ
  • Business Week: Can Microsoft Meld Windows with the Web?
    マイクロソフトはウェブにWindowsを融合できるのか?
  • Valleywag.com: What Windows Azure really means
    アズールの真の意味
  • Thoughts Service: 5th Generation of Computing?
    第5世代のコンピューティング

 国内のニュースもそうなのだが、「Windows Azure」という言葉に対してOS、プラットフォーム、サービスと使われ方が都度違うので読み手は混乱しそうだ。

同社チーフソフトウェアアーキテクチャのRay Ozzie氏は、講演の最後を「これが約2年間、技術開発に力を注いできたコンピューティングの新しい世界だ。とにかく座って、じっくりとコードを書いてみて欲しい。Azereの詳細や開発キットは、すべてサイトから手にできる」とazure.comを紹介して締めくくった



え、商標登録していない!?


 最後に「こんな追いかけ方があったとは!」と思ったIT Worldの記事から。 タイトルは“Oops! Microsoft Forgets to trademark Windows Azure(おっと!Windows Azureの商標登録忘れているよ!)”だ。

調べてみたところ、米国特許商標局に「Windows Azure」と「Azure Services Platform」の登録申請がない。またマイクロソフトの登録商標リストにも「Azure」がない。Windows Vista、DirectXといった他の技術は登録されているにも関わらずである。しかし、「azure.com」は、1994年10月に登録されている。登録はGoDaddy.comを通じているが、現在の登録料は年間9.99ドルとお得価格となっている。

 巨大データベースを抱えるプラットフォームサービスのドメインが9.99ドルって、ちょっと“いい感じ”だと思うのは著者だけでしょうか。

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