ソフトバンクは2009年3月期の第2四半期決算を発表した。有利子負債の多さからか、同社の株価は乱高下している。しかし、「金融環境の悪化についての業績への影響は、仮に発生しても一過性」と孫社長は語った。
フリーキャッシュフローが大幅増加
ソフトバンクは、営業利益は過去最高の1800億円(対前年同期比7.3%増)を達成したものの、連結売上高は1兆3289億円(同2.6%減)と減少。しかし、「経営の数値で最も重要視する」と孫氏が強調するフリーキャッシュフローは前年に比べて、2389億円改善した。
さらに、ボーダフォン日本法人買収時の借入金1兆4000億円の返済も、「2018年までの返済計画だが、おそらくあと4、5年で完済してしまうのではないか。予定を遥かに上回る速度で返済できる」と強気なコメントを発表した。
中核となる移動体通信事業の純増契約数は17ヵ月連続1位と好調を維持しているが携帯電話の販売台数減少などの要因により、売上は5%、営業利益は6.4%減少する結果となった。
iPhoneは収益に貢献している
会場からは、「7月に発売されたiPhoneが、予定された程売れていないのでないか」という質問が出た。しかし、孫氏は「その見方は勘違い」と全面否定する。
「iPhoneの1ユーザーあたりのARPU(月間支払総額)は他の端末のARPUの2倍近い。iPhoneが儲からないという見方があるが、それは勘違い。立派に収益に貢献してくれるありがたい端末だ。台数は公表していないが、だいたい予定しているペースで出荷している」(孫氏)
さらに「iPhoneは使えば使うほど、噛めば噛むほど味が出てくる端末。私自身も使っているが、なくてはならない存在だ」と強調した。
なお、明日30日にはソフトバンクの秋冬の新端末が紹介される。その場で「iPhoneに対する新しい取組みも発表する」(孫氏)とのこと。iPhoneファンは期待して待て。