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ストラタス、仮想化でミッションクリティカルニーズに応える

お安くx86サーバーを99.99%以上の稼働率に!

2008年10月10日 04時00分更新

文● 新 淳一/企画報道編集部

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「最近では“ミッションクリティカルなビジネス分野”とひとくくりにできない状況になっています」――フォールトトレラントサーバー(無停止型サーバー)「ftServer」などの製品で知られる日本ストラタステクノロジー マーケティング部 駒村氏の言葉だ。

 今や街の小さな店舗であっても、ネットビジネスを盛んにやっていることは珍しくない。たとえば美容院などで、Webで事前予約を受け付けているところがあるが、Webサーバーが落ちてしまうと予約が受け付けられなくなってしまう。「24時間いつでも確実に受け付けられるようにしておかないと、顧客満足度が落ちてしまって困る」といった悩みを持つ人は、業種や規模に関わらず多いという。

Avance

Stratus Avanceソフトウェアのコンソール画面。Webベースで一元管理できるコンソールを搭載し、仮想マシン、物理サーバー、NICを遠隔監視・管理できる。中小企業はもちろん、IT技術者が配置されていない遠隔地や支店・支社などでの用途にも活用できる

 日本ストラタステクノロジーのftServerを利用すれば、24時間落ちないシステム環境を構築できるが、価格は数百万円からと高い。そこで、Citrix XenServer仮想化プラットフォームをベースにしたハイアベイラビリティーソフト「Stratus Avanceソフトウェア」(以下、 Avance)を開発し、10月8日より発売開始した。ftServerの99.999%という連続稼働率にこそ及ばないが、99.99%以上の稼働率を実現するという。価格は69万8000円(物理サーバー2台分。Citrix XenServerも含まれる)だ。

 Avanceは、2台のx86サーバーを1組としてシステム構成し、各サーバーにXenServerで仮想環境を構築するのが特徴だ。Avanceは、物理サーバーのハードウェア状態を常に監視し、状態に応じて自動的に適切な処置をすることで仮想サーバーの連続稼働を実現する。ライブマイグレーション機能(仮想サーバーを稼働させたまま、無停止で別の物理サーバーに移動させる機能)も備えるので、障害の予兆を検知し、壊れる前に安全な物理サーバーへ自動的に移動させるといったことも可能だ。

 ライブマイグレーション機能というと、Citrix Xen ServerのXenMotionを思い浮かべるかもしれないが、XenMotionは、Citrix XenServerのEnterprise Editionに搭載される機能であり、Avanceのものとは異なる(いわば競合製品)。XenMotionを使うには、少なくともEnterprise Editionのライセンス(価格は1ノード56万1000円)が2ノード分必要だ。ちなみにAvanceは2台の物理サーバー間で内蔵ディスクをミラーリングするため、共有ストレージを必要としないという特徴もある。XenServerのXenMotionは共有ストレージが必要なので、比較して考えるとAvanceの“安さ”が際だつ

 現在、動作確認がされているサーバーには、DELL PowerEdgeシリーズとHP ProLiantシリーズがある。仮想マシンでは、Windows Server 2003とRed Hat Enterprise Linuxを利用可能。1つのAvance上で両方の仮想サーバーを稼働させることもできる。

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