静粛性に優れた超音波モーター採用ズーム
HSM(超音波モーター)によるAF速度は予想以上に速かった。ピントを合わせるために、かなり重いレンズ群を動かすので、撮影中には大きなトルクがかかっているように感じられた。HSMのおかげで静粛性にも優れ、フォーカス時のノイズ音はまったく気にならない。ピント合わせ時にレンズの全長がまったく変化しないのがうれしい。レンズ先端が回転しないのでPLフィルター派にもオススメできる。
ボケと解像度
シグマらしく被写界深度内ではとにかくシャープな描写で撮れる。一方、ボケにはやや固い傾向はあるけれど、F1.4という大口径パワーですべての輪郭を溶かしてソフトな背景を作り出すことができる。なお、周辺の描写は悪くないが、F値をF4.0以上に絞ると格段にシャープになる。
MF撮影でもピントリングに適度な重さがあって使いやすい。ただ、AF用レンズなので仕方がないが、MFでも微妙なピント合わせがしやすいように、もうすこし回転幅を大きくしてくれるとうれしかった(マクロレンズでないので無茶な要望なことは承知しているが!)。
一つだけ気になるのは、MF操作時のピントリングの操作感だ。撮影範囲と範囲外のツナギが唐突だ。突然スカっと抜けてしまうので、もう少しソフトになってくれたら……と思う。まあ、これは製品の描写ではなく、あくまでも使い心地の話ではあるが。