'08年8月に発売が予定されている「Drive Genius 2」を開発した米プロソフトエンジニアリング社ゼネラルマネージャーのゴードン・ベル氏と、日本国内の販売代理店であるアイギーク(株)社長のディビット・L・スミス氏の2人に、両社の関係や発売を控えた「Drive Genius 2」についてなどを聞いた。
始まりはスミス氏のアップル在籍時代から
——プロソフトとアイギークが提携に至った経緯を教えてください
スミス 両社の関係は'96年までさかのぼります。当時、私は米アップル社の社員として、Mac OSの開発に携わっていました。そのときのアップルはエンジニアが不足しており、外部にコンサルティングを依頼していたのです。「Copland Project」の際にコンサルティングをしてもらっていたのが、プロソフトでした。これがきっかけとなり、私がアップルを退社したあともプロソフトと関係は続き、そしてアイギーク設立後の現在に至ります。
ベル Mac OS 9時代に搭載されていた「ドライブ設定」をご存じですか?これはもともと私たちプロソフトがアップルの依頼を受けて作ったプログラムなのです。そのほかにも、多くのプラグインや、iTunesでCDを作成するときのコードなども私たちが製作し、提供しています。つまり、プロソフトのプログラムをアップルが気に入りMac OSに組み込まれてるので、プロソフトになじみがないユーザーもMacを持っていれば、プロソフト製品を使っていることと同じなんですよ。
スミス 少し話がそれましたが、'01年ころは我が社もコンサルティング事業を展開していたため、プロソフトからコンサルティングの依頼を受けていました。つまり、アップル時代とは逆の立場ですね。今回、プロソフトが「Drive Genius 2」を発売するときに日本代理店になってほしいと依頼がきたのも、こういった長年の付き合いのたまものだったのです。
ベル プロソフトは「Data Rescue」などのソフトを、アイギークを代理店として日本で発売するかたわら、アイギーク製のソフト「Indelible」を「Data Backup」として、私たちが米国で販売しています。このように、日本と米国で提携をする一般的なメーカーとは大きく違い、お互いの製品をお互いが代理店として販売するというユニークな関係にあります。
——米国発売から半年と間が空きましたが、ローカライズ作業に問題があったのでしょうか?
ベル 米国で発売した最初のバージョンは、アプリケーションはLeopard対応なのですが、起動DVDはTigerベースなのでLeopard以降の最新マシンでは使えません。しかし、日本発売の際には起動DVDもLeopard対応にしたいと考えていました。そのためには、Leopard対応の起動DVDを開発するソースが必要ですが、これをアップルから入手するのに時間がかかりました。大量のバグフィクスを含んだMac OS X 10.5.3をアップルがリリースするのに手間どったことが原因です。加えて、Leopard対応だけでなく、10.5.3ベースの起動DVDを製作したかったので、発売が大きく遅れてしまったということです。
——となると、実質的な開発期間は短かったのですね。
ベル そうですね。また、Jaguar/Panther/Tigarと歴代Mac OS Xに対応した最初の起動DVDを発売したのはプロソフトです。このような実績を持っていますので、Leopard対応も我が社が最初でなければならないという目的がありました。そのため、今回も競合ソフトよりいち早くLeopard対応の起動DVDとして発売できたのです。
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