端末ごとに料金プランがあってもいいのでは?
── 「ひとつのメーカーばかりひいきにすると、ほかのメーカーとの関係が……」といったような裏事情があるのかもしれません。
林 でもソフトバンクは日本のキャリアの中でも最も個性的な端末が多いキャリアなので、もしかしたら端末ごとに別の料金プランを用意できれば分かりやすくなると思いませんか?
「端末ごとだとさすがに大変」という意見も分かりますが、もっと端末の個性を生かした料金プランがあってもいいはずです。例えば株式のチャートを表示する「920SH YK」は、ほかの端末とは大きく異なるため、独自のプランが必要でしょう。その代わり、プランの中身はもっとシンプルですっきりと納得のいくものにするという。
── 大胆な提案ですね。
林 iPhone 3Gも料金はあのままでいいから、正式な発売のときにはできれば内訳は書かずに月額7280円と言い切ってほしい。そこに「S!メール」だ、何だという説明は必要ない。
そもそもiPhoneのいちばんの魅力は、これまでパソコンで使っていたアドレスのメールが使えることなわけで、ユーザーにとって「S!メール」のメールアドレスはそれほどありがたいものではないでしょう。まだ実際の発売までは時間がありますし、ぜひソフトバンクにはその辺の方向転換をしてほしいです。
── アップルについてはどう評価しますか?
林 アップルはiPhone 3Gを22ヵ国で展開するにあたって、これまでよりも国ごとの事情を盛り込んだ柔軟な対応をしてきました。それはそれで評価できるけれど、もし可能なら、日本を含むいくつかの国の事業者とはもう少し腰を落ち着けて話し合って、料金プランのガイドラインを3種類くらい用意してもよかったと思います。
iPhoneの展開時、「だいたいこの国の料金プランとか売り方を参考に」と示せるようなサンプルですね。3種類という根拠は、これから携帯が普及する国、すでに普及してしまっている国、日本や韓国のような携帯が先を行き過ぎてしまっている国という分類です。
翻って今のソフトバンクの料金プランを見てみると、金額はともかく、料金プランはイノベーションが感じられず、あまりいいお手本にはならなさそうな印象です。