「CAMMEDIA SP-570UZ」は、オリンパスイメージング(株)の望遠ズームカメラの「SP-500」シリーズの最新モデルにあたり、光学20倍ズームというコンパクトデジタルカメラの中でも最大望遠率を持つのが特徴だ(関連記事1)。
このシリーズは、
- 2005年の「SP-500UZ」(光学10倍、600万画素)
- 2006年の「SP-510UZ」(光学10倍、710万画素)
- 2007年の「SP-550UZ」(光学18倍、710万画素)(関連記事2)
- 2007年の「SP-560UZ」(光学18倍、800万画素)(関連記事3、関連記事4)
と細かくモデルチェンジ(レンズと撮像素子を交互に変更)を繰り返してきたが、本機では光学20倍、1000万画素と、レンズ・撮像素子ともに一新された。なお、550UZと560UZはレンズこそ同じものだが、撮像素子が550UZの1/2.5インチから560UZの1/2.35インチに大型化したことで広角側が28mm相当(35mmフィルムカメラ換算時)から27mm相当へと広がっている。570UZは新レンズに加えて撮像素子も1/2.33インチへと若干大きくなったことで、広角端はさらに広角の26mm相当となった。
550UZからの特徴的な機能である高速連写も引き継がれているが、「通常連写」の毎秒1.2枚(フルサイズ、最大7枚記録)に加えて、最大30枚まで撮れる「高速連写1」(毎秒7.2枚)と「高速連写2」(毎秒13.5枚)の2モードが用意されている。高速連写では記録画素数が下がるのも従来機と同様だが、高速連写1では500万画素相当、高速連写2では300万画素相当と、従来機の300万画素/120万画素よりも高画素で記録できるようになった。また、連写中にシャッターを切る直前の画像(10コマ)を記録する「プリキャプチャー機能」、および顔検出やスマイルシャッター機能を搭載し、スマイルシャッター時には高速連写2で3枚撮りすることで、最適な笑顔を後から選べるという使い勝手の配慮がなされているのも従来機と同様だ。
太いレンズ鏡胴部と大型グリップという本体デザイン上のアクセントも従来同様だが、ボディーデザインは大きく変更され、操作系も一新している。560UZではレンズ鏡胴部にラバーが巻かれていたが回転などの機構がない単なるホールドのサポートだったのに対して、570UZではレンズ周囲に操作リングが新たに設けられた。ズーム自体は電動方式で、リングの回転がスイッチとなってズーム動作を行なう。セットアップメニューでマニュアルフォーカスの動作をリングに設定することもでき、鏡胴側面にあるAF/MF操作切り替えボタンを押せば、ズーム動作の代わりにピント合わせをリングで行なえる。なお、メニューの設定ではMF動作をリング/電子ダイヤル/カーソルの3つから選べるようになっている。
背面の液晶ディスプレー左側には各種機能ボタンが、ボディー上面には電子ダイヤルが新設されたほか、電源スイッチはモードダイヤル部のレバーとなるなど、同社のデジタル一眼レフカメラ「E」シリーズと同様の操作性になっている。メニューシステムは従来ながらの十字型に表示される“メインメニュー”と画面の端にアイコンバーが表示される“撮影時クイックメニュー”に加えて、画面いっぱいにステータスが表示されてカーソルキーなどで各種項目を選択できる“スーパーコンパネ”も搭載した。スーパーコンパネは「E」シリーズや同社のハイエンドコンパクト機に搭載されていた機能だが、特に本機ではEVF(電子ビューファインダー)に被写体の画像を表示させたまま液晶ディスプレー側にスーパーコンパネを表示でき、設定項目を変えつつ撮るときなどに表示画面の切り替えの手間が要らないのはなかなか快適に使える工夫だ。
このほか、従来機にはなかった露出補正やAE/AFロックの専用ボタン、連写モード専用ボタンの追加など、操作系に関しては一眼レフ機なみに充実した。さらにホットシューの装備やRAW撮影への対応など、マニュアル撮影志向の機能が多く盛り込まれている。