日本オラクルは、3月3日、需要管理ソリューション「Oracle Demantra 7.1.1」の提供開始を発表した。
リアルタイムに対応する最適な在庫管理のオペレーション
オラクルの「Oracle Demantra 7.1.1」は、SCMにおける需要予測機能を強化し、最適な在庫管理を実現するためのソリューション。同製品は米オラクルが2006年6月に買収し、SCM製品で知られるDemantra社のテクノロジーを取り入れている。今回、Oracle E-Business SuiteやJD EdwardsといったオラクルのERP製品との連係機能が強化された。
Oracle Demantra 7.1.1は需要予測機能やBI機能に加え、SCMチェーン全体を効率化する機能を持つ。
Oracle Demantra 7.1.1の需要予測機能「Demantra Demand Management」によって、企業は自社の製品の将来の販売量を予測できる。需要動向を知ることで、企業は新製品の投入や既存製品の販売停止を適正なタイミングで実施できる。
「Demantra Advanced Forecasting and Demand Modeling」は、過去のイベントや販促プロモーションの効果測定を分析し、商品の割引率やポイント還元率をアップさせるといったプロモーション方法を提案してくれるBI機能。たとえば、Demantra Demand Managementによって、ある製品の販売目標を今期は達成できないと分かったとする。そのときにDemantra Advanced Forecasting and Demand Modelingが提案する販促手段を企業が実施することで、販売量を増やし、販売目標の達成に繋げることができる。
また、「Demantra Real-Time Sales and Operations Planning」は、リアルタイムな販売状況を分析し、それに沿ったオペレーション計画を作成し、SCM全体を効率化する機能。たとえば、ある製品が予想を上回る売上げを上げ、生産計画の変更を余儀なくされたとする。同機能はその場合、在庫計画や資材調達、物流といったSCMの他のビジネスプロセスの計画を変更し、最適なプランを新たに作成してくれる。これにより、企業は特定のビジネスプロセスの変更によって、サプライチェーン全体の生産性が落ちるといった事態を防ぐ。
日本オラクル 製品戦略統括本部 アプリケーションビジネス推進本部長 ディレクター 塚越秀吉氏によると、「Oracle Demantra 7.1.1によって、SCMのオペレーションの効率が高まれば、過度な在庫を持つ必要がないため、企業の収益性は高まっていく」と自信を見せる。
Oracle Demantra 7.1.1の価格は2940万円(税込)から。塚越氏は「大企業だけでなく、JD Edwards を導入するような中堅企業もターゲットとして狙いたい」と述べた。