最近はコンパクトデジタルカメラでも広角レンズを搭載するモデルが増えてきたが、富士フイルム(株)の「FinPix F480」は、広角28mm相当からの光学4倍ズームレンズを搭載するコンパクトオート機だ(関連記事1)。従来のFinePixシリーズで広角側に強いモデルとしては、ネオ一眼と呼称する大柄ボディーの「FinePix S9100/S8000fd」と工事現場やフィールドワーク向け頑丈ボディーの「BIGJOB」(ビッグジョブ)を除けば、すでに販売終了の「FinePix E510」(コンパクト機)がある程度で、同社としてはかなり貴重な存在だ。
FinePixシリーズでは貴重な広角コンパクト機
撮像素子は1/2.5インチ有効815万画素CCDで、ほとんどが1/1.6~1/1.7インチクラスの撮像素子を搭載する「FinePix F」シリーズとしては珍しく、また撮像素子自体も同社お得意のハニカムCCDではなく正方配列のものを採用する。光学式手ぶれ補正機能は搭載せず、感度アップによるブレ軽減モードはのみとなっているほか、最近のデジタルカメラはではおなじみとなった顔検出機能も搭載しないなど、撮影機能はかなりシンプルなものとなっている。
ボディーは通常の沈胴レンズを左側にオフセットした状態で搭載するもので、コンパクト機としてはごく一般的なスタイルだ。FinePixでは「F460」という薄型モデル(関連記事2)があったが、通常の沈胴式ながら薄型化したF460に比べるとやや厚ぼったいボディーとなり、どちらかといえば「F40fd」(関連記事3)に近いデザインとなっている。背面はカーソルとモードダイヤルを配置し、ズームレバーが背面のボタンではなくシャッターボタン周囲のリングとなっている点も、最近のFシリーズに共通する点だ。
基本的にプログラムオート+シーンプログラムを中心に利用する製品で、特に凝った機能はない。メニューは最近のFinePixシリーズと共通で、「F」ボタンによるクイックメニューを用いずMENUボタンに設定項目が集約するタイプとなっている。モードダイヤルを「SP」(シーンプログラム)に合わせてからメニューで各シーンを選択するほか、「ポートレート」「ベビー」「手ぶれ防止」(感度アップによるシャッター速度の高速化)など、多くのユーザーで使用頻度の高いと思われるモードがダイヤルのポジションに割り当てられている。また、露出補正やホワイトバランスなどは「マニュアル」モードでのみ設定変更が可能で、オート撮影/シーンプログラムの多くはカメラまかせとなっているのも、最近のF/Aシリーズと同様だ。