キヤノン(株)の「PIXUS(ピクサス) mini 360」は、インクジェット方式を採用するコンパクトフォトプリンターだ。CMYKの4色インクを採用、印刷解像度なども従来機「PIXUS mini 260」(関連記事1)から変更はないものの、L判/ハガキサイズに加えて新たに2L判用紙に対応したのが大きな違いとなっている。
メモリーカードのダイレクトプリントでも
顔や人肌の補正が可能になった!
四隅を切り落として丸みを付けた箱のようなボディーデザインは従来機と同様だ。上面を開くと給紙トレイとなって液晶パネルを中心とする操作部が現われ、前面が排紙トレイとなるのも変わっていない。従来機の最大ハガキサイズ(横幅約100mm)から最大2L判(約127mm)に対応用紙が広がったことにより、ボディーサイズも横幅が約30mm広がった。奥行きや高さはほとんど変わっておらず、従来機のほぼ立方体(正方形)に近いボディーから、若干横長となっている。
基本操作も変わっておらず、側面のカードスロットにメモリーカードを差し込み、液晶ディスプレーに表示されるメニューや画像を選択して印刷する。操作の中心となるのは液晶ディズプレーの手前に配置された「コントローラーホイール」で、メニュー項目の移動や画像の選択、編集時のズームや範囲移動などの操作をカーソルよりも手軽に行なえる。また、液晶ディスプレーの直下に2つのファンクションボタンが配置されており、液晶ディスプレーの最下段に表示される機能(場合によって変わる)を1ボタンで選択できるようになっているのも従来機と同様だ。
細かな変更点として、印刷した画像は内部メモリーに一時保存され、履歴から再印刷を選ぶことで再度メモリーカードを読み込んだり携帯電話機などから転送し直す手間がかからなくなっている。内部メモリーの容量は最大300MB、最大100件まで登録できる。メディアストレージデバイスと呼べるほどの大容量ではないものの、ちょっとした画像保管用として利用できる。履歴は登録した日付から順番に呼び出すことができ、再印刷しない場合は登録日付の古いものから自動的に消去される。また、今期の「PIXUS」シリーズ他機種と同様に、起動時間が短縮され、電源を入れてから操作可能となるまで約5秒と、軽快に使えるようになった。
ハードウェア的にはそれほど大きな変更点がない本機だが、ほかのPIXUSシリーズ(2007年秋冬モデル)と同様、ソフトウェアは大きく進化している。最も大きな特徴は自動写真補正機能で、顔認識を含む高度な画像認識技術によって撮影シーンを自動的に判別し、それぞれのシーンに合わせた露出やコントラスト、発色などの補正、人の輪郭や人肌の発色を強調といった処理を行なうもの。パソコンから印刷を行なう場合は、付属ソフト「Easy-PhotoPrint EX」を用いることで、輪郭や発色の補正強度を指定できるほか、補正後の画像を別ファイルとしてパソコンに保存することも可能となっている。
この補正機能とほぼ同等のものがmini 360の内部にも入っており、メモリーカードスロットから読み込んだ画像に補正を掛けることが可能だ(補正後の画像を別ファイルに記録する機能はない)。基本的に画像の選択後に補正のON/OFFを指定する際に「自動写真補正」を選択するのみだ。