デル株式会社は10日、仮想化に関する戦略発表会を行ない、今後同社の仮想化ソリューションに向けた取り組みを発表した。また、ヴイエムウェア社の仮想化ソフトをプリインストールしたサーバを年内に発売することも発表した。
ハード・ソフト・サービスのすべてを含めた包括的サービス
「サーバの平均的なCPU使用率は20%を下回っている。サーバの仮想化を行なうことで、より有効なITシステムへの投資が実現し、さらに現在IT予算の大半を占める運用コストの削減も可能になる」
デルのエンタープライズマーケティング本部 本部長の桜田仁隆氏は、発表会の冒頭で仮想化のメリットとしてこのように語る。その上でデルが行なう仮想化に向けての製品戦略として、高いCPUパフォーマンスを持つAMD社のクアッドコアOpteronを採用し、仮想化ソフトである「Vmware ESX Server 3i」を組み込んだ製品を年内に投入すると発表した。
会見に同席した日本AMD エンタープライズビジネスデベロップメント本部 本部長の多田和之氏によれば、「クアッドコアOpteronに搭載される仮想化支援機能Rapid Virtualization Indexingによって、仮想化環境におけるアプリケーションの動作速度が10~20%向上する」としており、Opteronが仮想化に適したプロセッサであることを強調した。
同じく会見に同席したヴイエムウェア社の システムエンジニアリング マネジャの平谷靖志氏は「これまでVMwareを利用する際に2GB近くメモリを利用するLinuxのコンソールが必要だった。ESX Server3iでは、VMware本体だけで動作するため、必要なメモリ容量は32MBだけになる」と語り、新バージョンの優位性を語る。
また、デルでは仮想化に関し、設計から導入・トレーニングに至るまでのサービスの強化も発表。中でも「サービスの導入前に必要になる、仮想化に必要なリソースの調査とそれに伴うインフラの提案を行なう『キャパシティ・プラン』」(デル ソリューション・サービス本部 本部長の諸原裕二氏)を強化するとしている。