ADJ.ボタンをジョイスティックにしてインターフェースを改良
【レビュー】広角28mmからの7.1倍コンパクト機 リコー「Caplio R7」
2007年10月01日 15時00分更新
スリムボディーで広角28mmからの高倍率ズームや堅実なつくりが魅力の、(株)リコー「Caplio Rシリーズ」の最新モデルが「Caplio R7」だ。従来機「R6」(724万画素、関連記事)から有効815万画素へと高画素化した上位モデルで、外観的な点では大きな変更こそないものの、インターフェースの改良をはじめとして細かな機能アップが施されている。
ボディーデザインは従来機R6とほとんど共通で、横長のボディーの右端に沈胴レンズを配置し、光学7.1ズームという高倍率レンズをほぼ前面がフラットになるまで沈胴するにもかかわらず、本体厚23.3mm(最薄部20.6mm)と非常にスリムとなっている。
背面の2.7インチ液晶もサイズ/画素数ともに従来機と変わりなく、カーソルなど操作部も一見するとそれほど変わっていないように見えるが、背面のカーソルの上にある「ADJ.ボタン」が、本機ではジョイスティックに変更された。ADJ.ボタンは、押すことで撮影時に必要最小限の機能アイコン列「ADJ.メニュー」(露出補正/ホワイトバランス/ISO感度/記録画素数/フォーカス/測光方式などから最大4つを選択して登録可能)を呼び出せるもので、従来機ではADJボタンで呼び出し、カーソルで選択するようになっていたが、本機では小さなジョイスティックを押し込んでメニュー表示させ、そのまま上下左右にスティックを倒せばアイコンを選択、項目の指定ができるようになった。同社の上位モデル「Caplio GX100」や「GR DIGITAL」などで採用されていた「ADJ.ダイヤル」をさらに進化させたものと言えるだろう。
特に露出補正を1つめに設定しておけば、1プッシュしてスティックを上下に操作するだけ手軽に露出を変更できるので便利だ。なお、メインのメニュー操作はカーソル中央のMENU/OKボタンで呼び出し、カーソルの上下左右で選択する。メインメニュー操作はカーソルのみ、ADJ.メニューはスティックもしくはカーソルで操作するのだが、慣れないうちはついメインメニューを呼び出してからスティックで操作しようとして、選択メニューが動かないことに戸惑うこともあった。カーソルとスティックという2つの入力デバイスを共存させるのは他社製品でも見られるが、どの程度の機能を重複/分離させるかは考えどころだろう。
このほか、新規画像処理エンジンの採用により高感度域でのノイズ低減やシャープさの向上、階調や発色改善が図られたほか、撮影後の階調・色調補正やカラーブラケット撮影機能(カラー/白黒/セピア)なども新たに搭載された。
面白いのはズーム速度を選べるようになったことで、メニューから「低速ズーム」を選ぶと最広角から最望遠まで1.8秒程度かかるのに対し、「高速ズーム」では0.9秒程度となる。もちろん高速のほうが軽快だが、狙った画角で止めにくいという難点もあるわけで、これは好みにもよるだろう。あらかじめメニューで選択、セットしておく方式なので、カメラを構えてからその場ですぐにズーム速度を変えるというわけにはいかないのは残念。ズームレバーへの力の掛け具合でズーム速度が変わってほしかった。また、従来から採用されている「ステップズーム」(28/35/50/85/105/135/200mm相当という、特定の焦点距離でのみレンズ動作が停止する)も用意されており、すばやく好みの画角に合わせたい時には非常に便利だ。
ほかにも、メニュー表示ではフォントや色あいを変更して視認性の向上を図るなど、細かな部分に改良が施されている。