組み込み向けデータベース「DeviceSQL」の開発元である米エンサークの日本法人、エンサーク株式会社は管理工学研究所とパートナー契約を締結。協業の第一弾としてエンサークのデータベースエンジンを組み込んだ、携帯電話向けフレームワーク「kdFrame」を開発すると発表した。
協業で携帯電話向けにミドルウェアを開発
エンサークは組み込み機器向けデータベースシステム「DeviceSQL」の開発元で、同データベースは携帯電話や家電製品、カーナビなどの分野で、すでに500万台以上の出荷実績を持る。今回、データベースソフト「桐」の開発やSymbianOSの日本語化で知られる管理工学研究所とパートナー契約を締結することになった。
今回、協業の第一弾として発表された「kdFrame」について、管理工学研究所 モバイル事業部長の金谷直己氏は「メールやブラウザ、カメラなど携帯電話の機能の複合化・高度化が進み、携帯がどんどん“PC化”している。kdFrame開発の目的は高度化し複雑化する携帯電話のアプリケーション開発におけるさまざまな問題を解決するためのもの」と語る。
kdFrameは、エンサークが持つ組み込み向けDBエンジン「DeviceSQL」を採用した携帯電話向けアプリケーションフレームワーク。複数のアプリケーションが動作するような環境で、アプリケーションの垣根を越えて扱われるデータを容易に処理するためのミドルウェアであり、同時に、開発者にはマルチタスク環境やDBMSのデータ操作を意識せずに扱えるようにするものとしている。
製品としてはkdFrameに基づいた、機能別のミドルウェアとして提供される予定。その第一弾としては全文検索を可能にした「kdSearch」を2007年第4四半期に出荷する予定。また、そのkdSearchを基にした検索ソフトウェア「DigiBrownie」を同時期に出荷予定。DigiBrownieは携帯電話内のメールや住所録に加え、WordやExcelなどの文書ファイルやPDFファイル、ブラウザのキャッシュなどを検索対象としている。
株式会社エンサークの代表取締役 阿部哲也氏によれば、「携帯電話向けのフレームワークの開発は、協業の第一段階。今後、携帯電話だけでなく、さまざまな形の協業を進めていく」と語り、今後2社の協力体制がますます強くなっていくものとした。