バンダイのガンダムアイテムは、フィギュアからプラモデルまで多岐に渡る。その中でガンプラこそが、原点といえるだろう。数あるガンプラの中でも、1/100スケールで細かなギミックやデザインの作り込みが行われている“マスターグレードシリーズ”、いわゆる“MG”シリーズはあこがれのガンプラだ。最近では「ザク ver2.0」をはじめとして1年戦争時代の人気MSをリニューアルしていたが、ついにシリーズが100体目を迎えることになった。
記念すべき100体目の製品に選ばれたのが「∀ガンダム」。富野監督が製作するガンダムの集大成として描かれたこの作品では、主人公が搭乗するMSである「∀ガンダム」のデザインがシリーズ初の海外デザイナー、シド・ミードさんによるものとなっている。なんと言っても口の部分に付いていた“ヒゲ”が特徴で“ヒゲガンダム”と呼ばれていたほど。従来のガンダムとは大きく異なるデザインで、ファンの間に物議を醸した。シリーズとして、ガンダムの中でも1つの節目となる作品だっただけに、同じくガンプラの節目となる製品として「∀ガンダム」が選ばれたのは、自然なことなのかもしれない。
ショップでも実機サンプルの展示が多かったが、やはり目がいくのは“ヒゲ”の部分。顔の下部に付いているだけにまず目に飛び込んでくるのだが、すらりと伸びた綺麗なデザインにはうっとりしてしまう。そして他の所に目をやると、脚部の“スラスターベーン”が細かいところまで再現されている。従来のガンダムとは大きく異なる駆動理論でデザインされているため、「∀ガンダム」の特徴といえるパーツだ。今回のモデルでも可動範囲を損なうことなく再現されているのはスバラシイの一言。また細かい遊び心として、1/100スケールで主人公でありパイロットでもある「ロラン」とさらに「牛」がついている。「∀ガンダム」は牧歌的な雰囲気を持った作品でもあったのだが、作中でガンダムが洗濯機代わりに使われたり、胸のハッチに牛を収納したりと生活感や自然との調和があったのだ。そのような経緯もあったので、今回「牛」フィギュアのセットにつながったのだろう。
また初回出荷分には、「ガンプラ∀」という小冊子も付属している。100体記念アイテムとして、ガンプラファンなら一度読んでみたいところだ。冊子が入っているパッケージは、箱にわかりやすく書いてあるのでチェックして購入しよう。店頭での販売価格は、3500円程度だ。