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生花、ギフトなど約50社・ブランドでスタート

アマゾン、法人出店型サービス“マーチャント@amazon.co.jp”を開始

2007年04月24日 23時21分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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マーチャント@amazon.co.jpのビジネスモデル

マーチャント@amazon.co.jpのビジネスモデル

アマゾン ジャパン(株)は24日、東京・六本木の六本木ヒルズ内アカデミーヒルズ49にプレス関係者を集め、法人向けの出店型サービス“マーチャント@amazon.co.jp”を開始したと発表した。発表会では、贈答用の輸入食器などを扱うリンベル(株)、“FIELD”ブランドでスポーツ・ファッションを扱う(株)マルイヴォイが紹介されたほか、約50社・ブランドが出店契約を行なっているという。こうした出店はアマゾン ジャパンからの招待によって参加できる仕組みになっており、基本的にオープン型(出店者が希望すれば参加できる)の従来の“マーケットプレイス”とは異なるという。

マーチャント@amazon.co.jpは、Amazon.co.jpの中にデパートの売り場を設置して、アマゾン ジャパンが指定したブランド/販売店などにテナントを貸し出すようなサービスとイメージすれば分かりやすいだろう。従来のAmazon.co.jpでのリテール販売は、アマゾン ジャパンが仕入れた製品を、受注があり次第同社倉庫から出荷・配送する形だが、マーチャント@amazon.co.jpは、出店者がAmazon.co.jpというサイト(集客効果やアマゾンのブランド力など)、およびウェブ決済サービスや商品検索システムを利用して、直接利用者に販売できるサービスとなっている。決済システムは従来同様Amazon.co.jpを利用し、販売成約後にはアマゾン ジャパンが手数料分(具体的な料率などは非公表)を差し引いた売り上げを出店者に還元するという仕組みになっている。

マーチャント@amazon.co.jpで販売される製品ページの例

マーチャント@amazon.co.jpで販売される製品ページの例。ユーザーからは通常のAmazon.co.jpの製品情報と変わらないが……

購入時の価格情報で選択可能

購入時の価格情報を見るとアマゾン ジャパンから購入するか、同社のマーチャントから購入するかが選べるようになっている

マーチャント@amazon.co.jpで取り扱う商品には、従来Amazon.co.jpのカテゴリー別ストアー(日本版サービスでは現在12カテゴリーが存在)でリテール販売しているものも含まれるほか、ユーザー/販売店などが出品する“マーケットプレイス”の製品も並列に表示される。つまり、ユーザーは従来同様に製品名やカテゴリーなどで欲しい商品を検索すると、マーチャント@amazon.co.jpでの販売状況と出荷状況のほか、Amazon.co.jpでのリテール販売、マーケットプレイスでの販売情報なども併記されることになる。ただし、並びはユーザーにとってメリットの高いもの(即時出荷できるもの、同じ出荷時期であれば販売価格が安いもの)から順に記載されるという。

リンベルのストアフロントの例

リンベルのストアフロントの例。ブランドイメージを尊重したデザインが可能

また、契約したブランド/販売店には専用ページ“ストアフロント”を用意して、通常の製品情報ページとは異なりブランドイメージを重視した独自デザインのサイトに誘導できる(カテゴリーメニューなど、Amazon.co.jpとの共通化は図られている)。マーチャント@amazon.co.jpで販売された製品は出店者から直接製品が発送されるため、独自の梱包・包装を行なうなど、特にブランドを重視する販売店などに向いている。ユーザーにとっては、同じAmazon.co.jpの中でも、購入時の選択肢が増えるというメリットがある。

マーチャント@amazon.co.jpの導入によるユーザーのメリット

マーチャント@amazon.co.jpの導入によるユーザーのメリット

同じく出店者側のメリット

同じく出店者側のメリット

マーチャント@amazon.co.jpに契約している各社

マーチャント@amazon.co.jpに契約している各社

同サービスは2002年に米国で、2006年には英国とドイツで開始されており、米国では有名デパートの“macy's”、チョコレートの“GODIVA”、アパレルブランドの“Eddie Bauer”などが名を連ねている。日本でも先の2社を始め、(株)日比谷花壇やスポーツ用品ショップのASBEE((株)ツルヤ靴店)など約50社が出店契約を結んでおり、順次展開する予定という。

発表会で挨拶に立った日本法人の代表取締役社長のジェスパー・チャン(Jasper Cheung)氏は、「(マーケットプレイスとマーチャントを含む)サードパーティビジネス(出品型)が、グローバルでは約28%の売り上げを占めている。これまでAmazon.co.jpでは取り扱いのなかった新商材についても、セレクションの拡充を進めていきたい。これによってユーザーには商品の選択肢を広げ、出店者には新たな販売機会の創出につながる」と自信を見せた。

ジェスパー・チャン氏

アマゾン ジャパンのジェスパー・チャン氏

ジェフ・ベゾス氏がレストランのナプキンに描いたという、同社のビジネスモデル

米アマゾン社の創業者のジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏がレストランのナプキンに描いたという、同社のビジネスモデル

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